監禁ホストクラブ (Page 3)
ゲージの中にはミネラルウォーターが1本だけ。
しばらく飲み食いもしていないはずだが口にする気にもなれなかった。
「よお、響」
突然背後から声を掛けられ、びっくりする。
ナンバーワンの奏馬だ。
いつからそこに居たんだ。
「何度見てもおもしれぇなぁ」
「あの…」
「あれ? もしかしてなにも知らないとか?」
腹を抱えて笑われてしまう。
「…」
「ここで働いてるホストはみーんなオーナーの顔採用なんだよ」
「…はい?」
「だーかーらー、オーナーの好みで採用してんの。ここまで言われないとわからない?」
血の気が引いた。
これからされることがおおよそ想像できる。
「オーナーはドSだからねぇ。俺も散々いじめられたなぁ。ほら、咥えろよ」
頭が追いついていかない。
ガチガチに勃起した男性器をゲージの隙間から入れられ、唇に触れる。
「うっ…」
「そんな狭いところじゃ身動き取れないもんな。おらっ!」
思い切り口いっぱいに男性器を押し込まれ、えずいてしまう。
「吐いていいのは閉店後だけだぜ?」
喉の奥を突かれるたびガタガタと音を立て、揺れるゲージと罵声。
「相手をきちんと楽しませろ! それがホストの仕事だ!」
苦しくて涙が出る。
僕はホストだ。性的サービスをするウリ専ボーイではない。
なんでこんなことになってしまったんだ。
こんな目に遭うならホストにならなければよかった、と僕は後悔し始めた。
「痛っ! おい! 歯立ててんじゃねーよ! ほんと世話の焼けるやつだな!」
突然、背中に耐えがたい冷たさを感じる。
お酒を作るときに使う氷を大量に浴びせられたのだ。
「ひゃあ!」
「ひゃあ! って! 情けねぇ声」
また腹を抱えて笑われてしまう。
「さっ…寒いです…」
僕はただ、ぶるぶると震えているしかなかった。
「だったら俺を超えてみな」
そうなんだ。これは僕の実力が足りないから…僕が悪いんだ。
もうまともに物事を考えられなくなってきた。
*****
「…あれ、奏馬居たのか」
オーナーの声が聞こえる。
「あぁ、新しい犬を飼ったと聞いて、居ても立っても居られなくて…」
「お前も昔はここで震えてたじゃねーか」
鼻で笑うオーナー。
「いえ、あのときのオーナーのしつけがなかったらここまで来れませんでしたよ」
信じられない会話が耳に入ってくる。
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