監禁ホストクラブ (Page 2)

「ワインでいい?」

「はい」

正直ワインはあまり得意ではなかったが、オーナーの言うことには逆らいにくかった。

カウンター裏からワインが注がれているグラスを2つ持って僕と向き合って座った。

「はい、乾杯」

オーナーのグラスに僕のグラスをぶつける。

「はい、ダメ。乾杯はお客様のグラスより低い位置にぶつけること」

ああ、やっぱり説教タイムか。

「…すみません」

「まぁ、いいよ。飲みな」

お言葉に甘えてワインを口にする。

「響はさ、なんでホストになったの?」

「…なんかこう、キラキラしてるじゃないですか」

「へぇー、そういうイメージなんだ? で、実際やってみてどう?」

返事に困り、黙ってしまう。
以前、店内で暴れている女の子を見たり、本気で彼女だと思っている女の子からされたストーカー話を聞いたりしていたからだ。
僕が掃除したトイレの方がよっぽどキラキラしていると思う。

「あのさ、キラキラしているように見えるのってなんでだと思う?」

オーナーは質問を変えてきた。

その顔はなんともいいがたい気持ちが悪い表情をしていて背筋がゾッとする。

オーナーってこんな人なの?

動揺したのをごまかすためにワインをイッキ飲みする。

「俺も若いときホストやってたけどさ…」

ふと身体に異変が起こる。
異様に身体がほてる感覚に襲われる。

オーナーの昔話もポツリポツリとしか聞き取れない。

「あのね、キラキラと光り輝けば輝くほどその裏側はまっ暗闇なんだよ」

しっかりと話を聞き取れたのはそれが最後だった。

*****

…異様な寒さを感じ、目が覚める。
思わず大きなくしゃみをしてしまうほどだ。

「いきなりでけぇくしゃみするなんてどんだけ生意気なんだよ」

オーナーの声だ。

徐々に目が慣れてきて今僕が置かれている状況がわかり始める。

まず僕は全裸だ。
そして大型犬を入れるような大きなゲージに首輪とチェーンで繋がれている。

「ちょっとオーナー…冗談が過ぎません?」

「今なんて言った?」

「いや、だから…」

その瞬間、首輪に繋がれているチェーンの金属音が大きく響き渡る。

「黙って反省してろ!」

そのままゲージの中へとチェーンを引き、押し込まれる。
扉にもゴツい南京錠を掛けられてしまう。
首輪が食い込み、苦しい。

「なっ…なんなんですか !?」

「お前はしつけがなってないみたいだからな。みっちりしつけてやろうと思ってな」

頭が混乱する。一体どういうことだ?

「今からお前は俺の犬だ。わかったな?」

*****

ようやく置かれた状況が少しわかった気がする。

いくら大きめのゲージとはいえ人が入るには狭すぎて身体が痛い。

オーナーは自宅に帰ると言い残し去って行った。

そもそもここはどこなのかすらわからない。
周囲を見渡して見てもコンクリートの壁しかなく、時間もわからない。おそらく地下室のようなところだと思う。

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