噂をすれば影がさす (Page 3)
「あっ…出るから離してっ…」
はっきりとそう聞こえ、驚き再び部屋を覗いてしまう。
「あっ、あっ…」
思い切り顔に射精をし、その精液を顔面に塗りたくっている。
「どう? どう?」と問いながら。
顔面に精液を塗りたくられている男はうっとりとした表情で何度もうなずいている。
…そういえばあのうっとり顔の男、俺が昨日アルバイトで行ったアイドルグループの人に似ている気がする。
しかも1番人気があるらしい彼に。
「もっとほしい?」
「ほしい…」
「じゃあ、自分で準備して?」
人気アイドルに似ているうっとり顔の男は自分で脚を広げ、アナルに指を突っ込み、男性器を喜んでいる犬のしっぽのように勃起させている。
「よしよし、可愛いなぁ」
うっとり顔の男の頭を撫でる俺は知らない相手の男。
「じゃあ、ごほう…」
突然手首を掴まれた後引っ張られ、その場から逃げるように走らされた。光博だ。
そのまま大学の外まで連れられ、「今日のことは忘れよう」と言う。
「ああ、そうだな。気を付けてな」と言うだけで俺も精一杯だった。
*****
今日は大学に徹夜して書いたレポートを提出しに来た。
1階にある学生課の横にある各先生ごとに分けられているポストにレポートの束をぶちこむ。
…これでギリギリ成績は“可”かな。
今日は夜から居酒屋のアルバイトだ。頑張ろう。
アルバイト代で欲しい靴を買うんだ! そんなことを思っていたら、突然肩を叩かれる。
振り返るとそこにはあのうっとり顔が立っていた。
「あの、あなた見てましたよね?」
Fin.
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