酔いどれオヤジと卑劣な親子丼
「んぎっ!うぅ…あぅん!!」大学生である翔は深夜、父の喘ぎ声で目を覚ます。リビングを覗き見ると、父が飲み会帰りに家へ招いた課長と部長に犯されているではないか。この淫行現場を目撃した翔にも危機が迫り、親子は上司の手による近親相姦の末…親子丼に興じることに。果たしてこの2人は鬼畜上司の手から逃れられるのか!?
「ぐぅ…はァッ…んイッ!!」
「おいおい、井波(いなみ)くん。君の潰れた乳首を引っ張り出してやっただけだろう。溜まっている白いカスも掻き出してやるから、じっとしていないか。全く恥ずかしい奴だな。これだけでち●ぽおっ勃てるなんて…それでも父親か?」
「部長の言う通りだぞ、井波。早く触れてほしくて完全に浮き上がっちまってるじゃねぇか。“私の家が近いので寄っていきますか?”って俺たちを呼び込んだのはお前だろ。今更止められねぇんだ…にしても随分ご無沙汰だったんだなァ…スラックスの上からでもわかるぐれぇ、輪染み広げやがって…」
「こ、これは違う!!」
「違う?じゃあ漏らしちまったのか…そりゃ大変だ。ズボンもパンツも全部脱がなきゃな」
「そんなっ!?部長も課長もどうかしてますよ!!今タクシーを呼びますから――ぐぅう!!」
「タクシーなんて必要ないんだよ。私達はずっとこの機会を狙っていた…まじめで、大人しくて、何でもいうことを聞く優秀な君を手懐けたいと思っていたんだ。45だというのに妻子持ちだとは思えないぐらい、美しい君を…面影がなくなるくらい犯してあげよう」
*****
俺のベッドがある自室の反対側。俺と父さん、母さんの3人で暮らすマンションのリビングから不穏な気配を感じ取り、神経を研ぎ澄ます。声の主は父さんと、父さんが連れてきた会社の上司2人組。母さんは今日出張で家におらず、職場の飲み会終わりに『まだ飲み足りない』と管(くだ)を巻いた上司を、お人よしだけが取り柄の父さんが我が家へ招き入れてしまったのだ。
父さんが我が家に仕事関係の人を上げるなんて初めてで…ましてや母さんのいない今日である。会社の上司――部長と課長にあたる2人と玄関先でもつれるように転ぶ音を聞いた俺は、課題のレポートそっちのけで接待する羽目となり、冷蔵庫からビールを何缶かと、チーズやサラミを出すと横目で父さんを睨んだのであった。
「流石、井波くんの息子だねぇ。気が利くし、賢そうだ。君、名前は?」
この言葉を筆頭として、続けざまに『歳は?』『学生か?』『彼女は?』と赤ら顔の上司たちが面接官のように矢継ぎ早に問いかけを続ける。
「井波翔(かける)です。21の大学3年で…残念ながら、彼女はいません。俺、女の人には興味ないので」
“女の人に興味がない”なんてのは、酔っ払いにこれ以上詮索されないための嘘である。本当は興味深々なのだが、彼女なんて生まれてこの方できた試しがない。大学デビューを華々しく飾り、早々に童貞を捨てるつもりでいたのだが、3年経った今でもその願いは叶わないままであった。可愛気のある息子だったのなら、これも笑い話にしていたのかもしれないが、時計の針はもうすでに12時を過ぎていて、例え父さんの上司だとしても、ゲップやしゃっくりを繰り返す酔っ払いの相手をするのは癪だった。
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