ドラマティックな愛を刻まれて (Page 3)

充血した中心を鐡の生温い口腔に迎えられれば、白井の腰はびくびくと跳ねてすぐに砕けた。潤と滲む先走りが恥ずかしくて嫌々と首を揺するも、鐡が口淫をやめる素振りはみられない。確かに鐡の言う通り、日頃であれば口で奉仕するのは白井の役目だった。羞恥に耐えかねて両手で顔を覆うものの、白井の高揚は止まらない。

「は、離してください…ぁ、ぁ、出ちゃう…ホントに、もう…」
「出せよ」
「一稀ッ、さぁ、ンッぁ…あぁぁ、ッッぅぅ…!!」

ゴクリと飲み下す音を聞いた白井の脳裏には、鐡の太い首の真ん中で上下する喉仏の様子が描かれる。今この瞬間には見えなくとも、それは白井が一等好きな情景。自分が手渡したペットボトルの水を鐡が飲む、その精悍な横顔や立ち姿に白井は幾度となく見惚れてきたのだから。

「俺の本気が少しはわかったか?」
「わ、わかりました…わかり、ましたけど」
「けど、何だよ?」
「本当に、俺なんかで…」
「やっぱり全然わかってねぇな、お前」

再びの噛み付くようなキス、そして蹂躙される白井の肉体。決して乱暴ではないものの極めて早急に。準備を整えられた場所が鐡との繋がりに満ちるのに、さして時間は掛からなかった。

「ンぅ、はぁ…」
「お前…ずっと、俺のこと好きなんだろ? なに驚いた顔してんだよ…昔からバレバレだって、マジで。だけどそれでも、お前のことを傍に置いておいた意味わかるか?」
「ぁッ、ぁ…ンぁ…」
「いい加減ッ…全部、俺のものになれよ…優」

絞り出すように名を呼ばれ、強く抱かれて穿(うが)たれる。優、という掠れた響きのリフレイン。つまらない思考もなけなしの理性も、そのたった二文字に霧散する。白井は広い背中に腕をまわして必死にしがみつきながら、億万の感情に埋め尽くされてぽろぽろと泣いていた。

「返事は?」
「…は、い」

己の最奥で鐡からの愛を受け止めた白井は、かつてないほどの多幸感の中で果てて全身を痙攣させた。体はメスイキに慣れているはずだというのに、深すぎるアクメの前では意識も霞む。

「今夜は寝かさないって…俺、言ったよな?」

明日も仕事があるのにと、頭の片隅には思い浮かぶも白井は鐡を拒めない。それどころかむしろ自ら体を開いて彼を求め、二人は朝方までたっぷりと睦みあったのだった。

Fin.

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