月明りと媚薬の罪と罰 (Page 4)
腹の中に溜まる甘い、疼き。だが、そんな欲より、救命優先、連れ去られた者たちも救わねば──。
「ウィル、辛いんでしょう?」
甘い口付けの後に、ひょいと担ぎあげその場を後にする。抵抗するも、力が入らず情けない声を上げるばかりで。
「大丈夫、すぐ楽にしてあげるよ」
人間など簡単に登ってこれやしない崖の上に横たえられ、優しく頬を撫でられる。
満月を背負い、優しい瞳で慈しむように、微笑むルカは──美しい。
その細い指がするすると衣服を剥ぎ取っていき、優しい唇が肌を走る。
火照った身体に夜風が心地好く、ルカが触れた場所だけがじんじんと熱を持つ。
「ひ、あっ!」
ルカの手がペニスへ伸び、そっと触れられただけで甘い痺れが走り、視界が点滅する。
「るか、だめ、もぅ、でちゃ…」
「いいよ」
人差し指と中指で挟まれ、軽く扱かれ、悲鳴に近い嬌声を上げながら達してしまう。だが──。
「ホント、趣味が悪いね」
ルカはいつになく不愉快そうな声を出しながら、収まることを知らないペニスを優しく扱きあげる。
「ボクのウィルが乱れていいのは、ボクの熱なのに。薬で無理矢理だなんて、悪趣味だ」
ちゅ、ちゅ、と小鳥のように啄(ついば)む様なキスが落とされる。
「あぁっ、るか、いったばっかり、だから、そんなした、ら…あっやぁっ」
ぞくぞくと背を走り抜ける快感と、非常事態の情事という罪悪感が混ざり合い、溶けていく。
甘い痺れが、支配していく。
何度も、はしたなく喘ぎ、達し。
崖の下からは怒声と悲鳴が聞こえ。
そのアンバランスな秘め事を、月だけがただ見守る。
「ひぁ、るか、も、ほしい、るかのおちんちん、くだしゃ、いぃ」
「ウィル、いいよ、いっぱいお食べ」
一気に貫かれ声にならない嬌声を上げ、霞む思考の中ただひたすらにルカの熱を求める。
「るか、るか…!いっぱい、だし、て…!」
「うん、いっぱい出すよ…ウィルは、ボクの、だからっ!」
強く。打ち付けられる腰。圧迫されるナカ。
「ひぁっ、ん!るか、るかぁ!!らめ、もう、いっちゃ、うぅ!」
「ボクも…もう──」
一際大きく、強く揺さぶられ──
「────!!!!」
声にならない声を上げ、互いが、溶ける。
白く汚れ。
甘い、痺れ。
快楽と罪悪感。
享楽に耽った、罪と罰なのかもしれない。
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