神頼みしたら神様が伴侶になった!? (Page 2)
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「マジで孕むのこれ…」
「神の奇跡なんだから間違いない」
「てか式、お前別に俺のこと…」
「愛しているが?」
「は?」
「あぁ、お前が俺を愛しているのはわかっているからいわなくていい」
「はぁっ!?」
事実、旭は式に一目惚れしていた。
それを見透かされて旭は顔を赤くする。
そんな様子を見て式は今までに見せたことのない笑みを浮かべる。
その笑みを見て旭はますます頬を赤くしてしまい、そっぽを向く。
「子が生まれるときが楽しみだな」
「お、俺は信じねえからな!」
怒る旭を式は優しく撫でる。
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しばらくして明らかに旭の腹が大きくなり、つわりのようなものもし始める。
式は優しく旭を支える。
眠っている旭を式は撫でる。
「神でも人間の短い生の時ぐらい、愛するものを愛していいだろう」
そんな式の呟きが部屋の静寂に消える。
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式の愛する人が赤子を抱きながら歩み寄る。
神である式にとってこの時間は本当に短い時間であろう。
それでも神として世界を見ていたときよりずっとずっと満たされた時間だったという。
式が赤子を抱く。
2人の表情は本当に幸福そのものだった。
彼らの道は困難がありながらも幸福だろう。
いつか終わりゆくその日まで。
Fin.
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