搾精救済!正義のヒーロー、アクメンズ (Page 2)
「んあぁああッ!!くる!!くるゥ!!」
そう叫び、ガクンッと身体を反らすと口から舌を出してヨダレを垂らしてみる。少しは“メスイキ”したように見えただろうか。
(――クソッ、駄目だ…やっぱ、青海の前だと射精できねぇんだよなァ。オナニーの方がよっぽどイケる…)
いくら嬌声を上げようが、演技は演技でしかない。視界はいつまでも鮮明なままで、ディルドを使った自慰のような痙攣も絶頂もなく、性的興奮を感じられないペニスは、我慢汁さえ吐き出そうとせず――無理に擦り過ぎた代償として、赤く爛(ただ)れていた。
付き合って3カ月。身体を重ねるのは、これが初めてではない。孤独を愛し、他人を見下してばかりいる青海が酒に酔った勢いで俺に告白してきたときにはつい、笑い飛ばしてしまったのだが…翌日の彼は初恋の相手から返事を待ち侘びる乙女のようだった。こちらと視線が合えば身を隠し、かと思えばこちらの手の甲をくすぐってきたり…意味不明な行動を取っていたのだ。このままの状態では連携が取れず、任務に支障が出る――そう思った俺は、“俺のため”ではなく“日本のため”に告白を受け、恋人となることを決めたのだった。
俺、紅城真司と、青海政は“アクメンズ”と呼ばれる、国が招集した2人組のヒーローなのである。
*****
「真司…その酷い喘ぎ声は、発情期の猿のマネか?」
「は?」
こちらの口端から垂れているヨダレを指で拭(ぬぐ)い取った青海は、俺が静止する前に自身の口もとへそれを運び、ちゅぱり、と音を立てて舐めた。
「ば、馬鹿野郎…汚ねぇだろうがっ!!」
「――貴様、不感だろ。私には貴様が“感じていない”ことなど、既にわかっているのだぞ」
青海は独特の言い回しで俺にそう伝えると、静かに瞳を伏せた。“悲しい”のアピールだろうか。
「なぁ、青海。“貴様”って呼び方は止めろ。仮にも俺はお前の彼氏、なんだからよ…。つーか、お前の方が色白で細せぇから、俺の方が挿れる側だろ。お前も1回掘られてみろって。俺のち●こで悶絶するぜ?」
「下品な。貴様は私をオナホールのようにして、性欲を満たそうとしているだけではないか」
「ぐ…。い、いや!俺はそもそも男に興味が…」
「だとしたらなぜ私に『俺も好きだ』などと嘘を吐(つ)いた?貴様はヒーローに相応(ふさわ)しい器ではない。体力面や戦闘能力こそ優れているが、口から出る言葉のほとんどが偽りのヒーローがどこに存在する?察するに同性しか愛せない私に情けを掛けたのだろう。もしくは、“世のため”と虚勢を張ったか…」
もう、こうなってしまえば…売り言葉に買い言葉である。
(青海の奴、言わせておけばイイ気になりやがって!この3カ月、好き放題に尻穴、掘らせてやったじゃねぇか――)
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