先輩の家には、大きくて可愛いイヌがいる (Page 3)

 廉の口調や表情はいつもと何ら変わりなかったが、確かなヒエラルキーを感じて武斗は身震いした。ぱっちりとした大きな瞳に長い睫毛、色白の滑らかな肌に均整のとれた体つき。そして、声は少し高めのハスキーボイス。間違いなく叶太の容姿は平均よりも遥かに高かったが、廉の言う『可愛い』はそういう話ではなさそうだ。

「ねぇ武斗くん、お願いがあるの…」

「お願い…?」

「僕と、えっちなことしよ?」

 咄嗟に助けを求めて廉を見遣った武斗だったが、返されたのは余裕に溢れた微笑みだけだった。えっちなことって何? これは浮気や寝取りじゃないの? そもそも男同士ってどうすれば? しかし、疑問符だらけの頭を抱えて言葉に詰まった武斗を尻目に、話は勝手に進行していく。

「じゃぁ、とりあえず見てて」

「見ててって何を…?」

「…僕の、オナニー」

 そこからしばらくは、叶太の独壇場だった。指先で少し捏ねただけで小さな果実のように乳首が膨らみ、甘ったるい吐息を皮切りに叶太の全身からフェロモンが溢れ出す。さらに、テレビボードの引き出しから出てきたのは、潤滑油のボトルに太ましいディルド。

「ンッ…はぁ…ぁン…」

 実に妖艶な仕草とともに叶太の下着が取り払われれば、武斗は思わずゴクリと息を飲んだ。色の浅い陰茎は既にすっかり天を仰ぎ、蜜のような先走りがとめどなく垂れている。

「ッぁ…ぁ、あ…」

 ガニ股でしゃがみこんだ中心に、黒光りする巨根がどんどんと飲み込まれていく光景。やがて叶太が腰を揺すってピストンを開始すれば、ぷるんぷるんと愛らしく竿が跳ねて、武斗の欲望を掻き乱していった。

「武斗くん…勃起、してるね」

「叶太さんが、エロいことするから…」

「見たいなぁ…チャック開けて? 武斗くんも、一緒にしようよ」

 相変わらず廉は、二人を静かに眺めているだけで何も言わない。異様な空気に飲まれた武斗は叶太に願われるがまま、下半身を寛げて雄の象徴を取り出した。荒くなる呼吸を必死で抑えながら、硬くそそりたつそれを扱いて叶太を見つめる。

「ねぇ…いれたい?」

「…いれ、る?」

「僕は、武斗くんのおちんちん…欲しい、なぁ」

 じゅぼ、という鈍い水音とともに、叶太の尻が武斗の目の前へと差し出された。先程までディルドを咥えこんでいたそこは、目眩がしそうなほど淫らに熟れている。理性と肉欲の狭間で立ち尽くす武斗だったが、その背中を押してきたのは、いつの間にかすぐ隣までやってきていた廉だった。

「ゴム、俺がつけてあげるね」

「れ…廉、さん」

「叶太のここ、すごく気持ちいいから。今日は特別に、武斗くんにも味わってほしい…」

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