今度までには。〜気ままな恋人〜 (Page 3)

「違うんだ」
「違う違うって…っ、それしか言えないのかよ!」
「だって…俺が今、本当に好きなのは優雨だけだから」
「うるさい…っ、んん、ぐ」

 信じられないほど強い力で、晴人は俺の身体を壁に押し付けた。そして、荒々しく口づけてくる。彼の常套手段だけど、こんなに激しい感情を見せられたのは初めてだった。
 
 肉厚な舌が唇の間を割って侵入してくる。歯列をなぞられるとだらしない甘い息が勝手に漏れて、腰が揺れる。顔を逸らしても、追ってくるようにまた唇を塞がれてしまう。

「んんっ、ふ、んぅ…っ!」
「ん…ん、はぁ」
「ふ、んんっ、ぷは!いや…離せ、はなせよぉ…ぁんっ」

 無理やり身体を捻らせて、晴人の支配下から逃げようとすると、脚の間にある彼の膝が牽制するように動く。すっかり反応して膨らんだ局部を刺激され、身体から力が抜けた。

「はあ…っ、ん、こんなのずるい…ひどい、晴人ぉ…っ」
「ごめん…、だって、優雨が逃げようとするから」
「だからってこんなこと…っ、う、ひっぐ…」

 本格的に泣き始めた俺に、晴人は困惑していた。そして、何かいいたそうに俺の顔を見つめている。俺が弱い、あの子犬みたいな表情で。
 
 壁に押さえつけていた手を解かれたけど、俺は観念して今度は抵抗しなかった。一度晴人の話を聞いてやることにした。

「…確かに、昔彼女とはセフレだったよ。それは否定出来ない」
「う…っ、ぅ」
「でも、この写真の時が2人で会った最後だよ。俺、この時彼女との関係にケリつけるために会いに行ったんだ。もちろんセックスもしてない」

「そんなの…信じられるわけない」
「彼女、どうしても俺との関係諦められなかったみたいで連絡止まんなくてさ…一度ちゃんと話さなきゃって思って。信じてって言っても難しいと思うけど」
「…」

「なんなら、スマホも後で全部見ていいよ。これからも毎日チェックしてくれていい」
「別に、そこまでしなくていいから…」
「だって俺、やっぱり優雨じゃなきゃダメなんだ。散々裏切っといて言えた立場じゃないけどさ…信用してもらうためなら、なんでもするよ」

 今の晴人からは、いつも言い訳する時のような焦りは感じられなかった。真っ直ぐ俺を見て、泣きそうになりながらも震える声で俺に思いを伝えてくれる。

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