久しぶり、先生 〜教育実習先は、まさかの母校!?〜 (Page 4)
「毎回ここで補習をしていた意味がわかるか?ここの空き教室はね、校舎の端の角に位置していてほとんどの教室から死角になる。さらに私が鍵を管理しているから、誰も近寄らないんだ。そんな教室を選んで、君と2人きりで授業をしていた。いつでも君に手を出すことが出来る、そんな空間でね。純粋な君は何も知らずに来るものだから、いつか犯してやろうと企てていたんだよ。
だけど、あの日君が真剣な目で私に告白するものだから、君を汚すことを躊躇ってしまった。だからあのような約束をしたのに、君は4年も経った今本当に約束を守りに来た。他の生徒と接していても、君に心奪われてから私も君が忘れられなかったんだ。君の実習の担当教員を名乗り出たのは私だ。君の名前を見た瞬間、目を疑ったよ。会いに来てくれてありがとうね」
いつもの先生の冷静な口調に戻った先生はそう伝え終わると僕の方に向き直り、お礼を述べて頭を撫でてくれた。
「先生…先生も同じ気持ちだったなんて、嬉しいです…!僕のこと、これからも好きでいてください!」
「あぁ。実習の間、いや…終わってからも、末長くよろしくね、桐生くん」
「よろしくお願いします!侑哉先生!」
そう伝えて先生の頬にキスをした。
驚いた顔をする先生に、僕はにっと笑いかけた。
「これからは僕も、桐生先生、ですよ!」
Fin.
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