ご注文は特殊シチュですか? (Page 3)
「ハル」
ふーっと息をついてからハルの名前を呼ぶ。
これが終わりの合図。行為が終わるときや危険を感じたときにストップをかけるための合図だ。
先ほどの冷たい目はどこへやら、顔を上げたハルはいつもの優しい雰囲気に戻っていた。
「……大丈夫?リク……痛かったでしょ」
自分も大分疲れただろうに、一番に俺を心配してくれる誰より優しい男だ。大丈夫だよと満面の笑みで返すとハルは安心したように笑った。
「ちゃんとできてたかな。」
「最高だったよハル。いつもありがとう」
ちゅ、と頬にキスをすると酷く嬉しそうにする。
腕の拘束を取ってもらってから互いに抱き合ってベッドへ横になる。行為の後はいつもこうやって何でもない話をして気持ちを落ち着けるのだ。
「今回は魅せられちゃったな〜。ハルはきっとすごい役者になるよ。」
「へへ……そうかな。ありがとう」
「ふふ、次は何しようか?首絞めとかチャレンジしてみる?」
「さすがに危ないからダメだよ。俺自信ない。今度は普通のセックスもさせて」
「はは、いいよ。別人としてじゃなくたまには恋人として愛情確かめたいもんね」
俺とハルは幸せな恋人同士。
だけど夢の中では支配者と服従者。ちょっと変だけど恋人のお願いに精一杯応える俺たち流の愛の形。
次はどんな無理難題をお願いしてみようかな?
「リク、本日のご注文はなぁに?」
「ハル!今日はね――――――」
Fin.
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