淫魔拾いました~お礼が俺ってそりゃないよ~ (Page 2)

「ほい、とりあえずコレ。ホットココア。あったまるぜ?今風呂入れてるから、沸いたら入れよ」

彼の服装は真冬にしては軽装でノースリーブハイネックシャツにレザーパンツにレザージャケット。しかもブーツの下は裸足。よく凍えなかったものだ。毛布を貸してくるまらせてソファに座らせていた。

マグカップを受け取った彼は、不思議そうに見ながらゆっくり口をつけた。

「あちっ」

「あー、やけどすんなよ?」

言いながら自分も隣に座ってコーヒーを一口すする。そうこうしていると、風呂が沸いたと知らせるアラームが鳴った。

「あ、それ飲んだら入って来いよ。タオル出してあるし、着替えは俺のだけど置いてある」

彼は飲み干したマグカップをテーブルに置いて頷き立ち上がるが、まだよろけている。手を貸しながら浴室へ案内し、一通り説明して押し込むようにドアを閉めた。

しばらくソファで新聞を読んでいるとリビングの扉が開き、彼が入って来た。

「おお、上がったか、ちゃんとあったまった…!?」

目を上げた彼の姿に驚いた。服は置いてあったのに、ほぼ素っ裸。レザーのぴちぴちな、レディースの下着のようなもの一枚。

「おい!湯冷めするだろ?ちゃんと服着ろよ」

「んー?大丈夫、俺、人間じゃないし」

そういう彼の顔は微かに紅潮し妖艶な笑みを浮かべている。が、こちらは頭のおかしい奴を拾ってしまったかと後悔の念にかられていた。

「あ、あー、じゃあ、俺、風呂入ってくるわ」

視線を逸らしながらソファから立ち浴室に向かおうとしてすれ違いざま、腕を掴まれた。思ったより力が強い。

「へ?何?」

わけのわからないという顔で彼の顔へ視線を向けると舌なめずりをしながら言葉を紡いだ。

「どうしても、我慢できないんだよね、空腹」

飯食わせろってことか。意外と図々しいな、などと考えているとそのまま腕をを引っ張られてソファまで引き戻された。

「…飯の支度するから離してもらえる?」

渇いた笑いを浮かべて言うと彼は首を横に振る。

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  • セキ on 通い猫に恋をしたこのまま結婚すらゃあいいのに そしてあおいをハヤトサン幸せにして〜
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