廃墟探検~強姦魔地縛霊ハ愛ニ執着スル~ (Page 3)
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「んぅ…あっ、あぁ…んふっ!!」
“誰か”が低く唸る声で目が覚める。
それにしても悪趣味な夢を見せられていた気がする。霊に尻穴を犯されてしまうだなんて…ストレスが溜まっていたとはいえ、淫夢というより悪夢ではないだろうか。
(ゆ、夢にしては…尻穴が…熱い…)
意識が覚醒すれば、自身の体勢に愕然(がくぜん)となった。いつの間に室内に戻ったのだろう。俺は傷だらけのフローリング上で後転するように大股開きで仰向けとなり、膝裏を持ち上げては尻穴を宙に浮かせていたのだ。つまり――低く唸っていたのは俺自身であった。
「こ、これぇ…!!」
アナルの入り口は冷えたペニスとはまた別の…ザラザラとした粘着質なモノが這い回り、直腸内から漏れる液体――悪霊が放出した精液を掻き出そうと躍起になっていた。皺周りをベロベロと音を立て揺すられては穴が大きく広がり、新たな粘液を纏(まと)う。マンション内での出来事は、夢幻(ゆめまぼろし)ではなく現実で、今ペニス代わりに挿し込まれているのは霊の舌なのだろう。
「んぅ…!!」
これ以上汚れた部分を刺激されてしまえば…今度こそ快楽に堕ちてしまう。舌がさらに奥に入り込まないように下腹部へ力を入れようとするものの、今別のモノが出そうになり…うまく力(りき)めない。そんな俺の様子がおかしいのか、悪霊は高笑いが抑えられないようであった。
「アナル皺ガ身震イシテイルゾ…。オ前ガ恥ジラウ姿ハ、全部俺ノモノダ。サァ、尻穴ヲ掻キ乱サレナガラ、チ●コデモイキ狂エ…。精液ヲ出シタ今ナラ、噴水潮噴キダッテデキルダロ…。俺ハオ前ヲ信ジテイタンダゾ?アンナ男ニ唆(ソソノカ)サレ――俺ニ毒ヲ盛ルナンテ…」
「俺は源人じゃねぇっ!頼むから家に帰してくれよぉおおおッ!!」
見えない敵をなんとか押さえ込もうと手を伸ばしたとき、目の前の景色が変わった。
眼前に広がるのは、真新しいラグが敷かれた一室。
新婚夫婦でも住んでいるのだろうか。部屋の隅に置かれたダブルベッドの前には、ふたつの影が見えた。
『どういうつもりだよ、源人!!もう8丁目の公園には行かねぇって約束したばかりじゃねぇか!』
(この声って…)
ぼんやりとした視界の中で、サイドを刈り上げた金髪の男がヒステリックな声を出し、俺と同じ背格好の――髪型まで似たもう1人の男に掴みかかっている。荒れている男の声には聞き覚えがあった。
今しがたまで俺を犯していた、悪霊である。では彼に掴み掛かられても顔色ひとつ変えず…スカした様子で男を宥(なだ)めている奴こそ悪霊が恨んでいると話す、源人なのだろうか。
『心配するなよ、竜(りゅう)。あの公園がハッテン場になってるからって、俺が男を求めに行った証拠はないだろ?――ったく、お前はガキの頃から束縛が激しくて嫌になるよ。…俺が好きなのは今も昔も竜だけ。“ココ”だって竜の形を覚えて…早く入れてほしくて疼いちまってんだ…』
『話を逸(そ)らすんじゃねぇ、源人っ!!大体お前は…』
(これは…悪霊の記憶なのか?)
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