贅沢な愛に溺れる (Page 4)
別に恋人が女じゃないとダメってわけじゃないし、楽して暮らせるならそれもいいとは思う。
ただ、俺だって京と翠を好きだから男として何かしたいと思うんだ。そうじゃないともし2人が俺に飽きたらなんて、そんなことを考えてしまう。
男の中では可愛い方で、それなりに愛嬌があって、大抵のことなら顔でどうにかできる。
だから俺は俺に自信がない、何事もある程度であって俺自身が誇れるほどのことは何もないから不安が付きまとう。
「くに、あーんして」
「あ、ごめん。トマト食べる?」
「えー…口移しじゃないとやだかも」
プチトマトのヘタを取って口元に運ぶと唇を指で押しあげながら、じっと俺を見つめてそんな可愛い我儘を言う。
そう、綺麗で格好よくても翠みたいに可愛いやつもいる。ちょっと可愛い程度の俺には勝てる気がしない。
プチトマトを齧って小さくして、甘える翠の口に移すとそのまま青臭いキスをされた。
じゅるじゅると啜りながら、互いの口内で噛み合ったトマトが少しずつ形を変えていく。
「ふ、…こら、翠が食べないとダメだってば」
結局俺の口に押し返されたトマトを俺が食べて、汚れた口元を拭ってやると翠は少し考えるように首を傾げる。
京は食後のコーヒーを飲みながら何も言わずに俺たちのやりとりを見守っている。
「美味しいもん食べて健康なくにの栄養を俺に入れればよくない?」
「え?え、待って、ついさっきやったばっか…!」
「俺は何もしてもらってないもーん」
こんなに可愛く甘えてくるくせに立ち上がると壁みたいにデカい翠が俺を軽々と抱き上げる。
綺麗に整えられたベッドの上に押し倒され、下着もズボンも脱いだ長い脚が俺を跨ぐ。
俺たちがベッドでやるやらないと騒いでいる間、京は皿を片付けるついでにポンとローション入りのボトルを投げてきた。
当たり前のようにローションを手に取ってケツに塗りたくりながら長い髪を背中に流す色っぽい仕草に釘付けになる。
俺をその気にさせるためにシャツのボタンを外し、見せつけるように乳首を黒く塗られた爪先で捏ねる。
基本的に翠は奉仕するのが好きなやつで、ねちっこくてしつこいけど俺の上に乗ると途端に色気を出してくる。
ギャップの塊である翠に煽られ、半勃ちになった陰茎を尻臀で緩く挟まれるともうセックスすることしか考えられなくなった。
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