贅沢な愛に溺れる (Page 5)
「あー…ん、これもきもちーけど…ここまで満たして?」
指を添えて俺の陰茎を咥えこみ、腰を下ろした後浅く腰を揺らした翠は俺と視線を合わせるなり力の抜けた笑みを浮かべて臍の下をなぞって見せる。
そのエロさに体内で熱が膨張するのがわかった。手首を掴んで腰を突き上げれば見た目に反して低くて甘い男の喘ぎが聞こえる。
何もかも満たしてくれる2人に甘やかされて、いい思いばかりして、でも俺を抱く京も俺に抱かれる翠も多分同じくらい満たされた表情をしている。
俺にも何か、顔以外に自慢できるようなことがあればもう少し素直に2人の言葉を受け入れられるかもしれない。
でも俺が自慢できるような、誇れるようなものが何かわからないから困っている。
「んっ…くに、お前さ」
「うわ、ちょ、締めすぎっそれヤバ、やばいって!」
「最高に気持ちよくしてやるから抱くのは俺だけにしてよ、嫉妬で狂いそうになるから…」
根元まで咥え込んだまま腰を捻って締め付ける、そんな技術は俺にはない。俺にできないことを当たり前のようにやってのける2人に劣等感があった。
だけど翠はそんな俺を必死に求めるみたいに腰を振って、何度も俺の頬を撫でてくる。
好きなんて言葉じゃ足りない、愛しいと、潤んだ瞳が訴えかけてくる。
絡みつく肉壁を割り広げるように腰を突きあげ、腹の奥まで陰茎を押しこめば余裕をなくした翠が甘ったるい声をあげて長い髪を靡かせる。
洗い物を終えた京は俺たちの隣にあぐらをかいて座り、激しくなる律動を一瞥して腕を伸ばす。
そろそろ限界を迎える、そんなタイミングで俺の口を掌が覆った。
息苦しさに京を睨んでも、京は笑いもせずじっと俺を見つめてくる。
「ふっふっ…ッ!ふ、うぅっ」
「俺たちにしておけよ。何一つ不自由なんかさせない、愛していることに理由なんかいらないだろ?」
「はいって言うまでイかせないとかど?」
急に動きを止めた翠がぎゅうっと俺の性器を締めつけてくる。
翠だって限界だろうに少し泣きそうな顔をして俺を見下ろすから、軽く腰を揺すってみたけど下唇を噛みしめて首を横に振られた。
酸欠状態で苦しいし、イきそうでイけない生殺し状態がきつい。何より不安そうな2人の視線が心にくる。
「っぷは…あ、そんな顔すんなよっ俺だって、俺だって愛してんだからっ」
俺のせいで2人が憂いてるのは嫌だから、掌を振り払って叫ぶ。
不格好に腰を振って、甘やかされて積もり積もった愛を全部翠の中にぶちまけてやれば翠の精液が俺の顔まで飛んできた。
愛して愛されてても不安はある。それでもこの関係が壊れないように愛して愛される努力は続けていきたい。
Fin.
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