土曜日の秘め事
会社員の正紀には大学生の弟、直矢がいる。昔は仲がよかったが、ある頃から直矢は世話焼きな正紀を避け、冷たい態度をとるようになっていた。そんな直矢に正紀は内心寂しさを募らせていた。だがある晩の出来事をキッカケに、土曜日の昼下がり、両親が外出すると2人は互いに激しく求め合うようになる。
この日もいつものように、俺は外出する父と母を見送り、2階に上がった。
はやる気持ちを抑え、弟、直矢(なおや)の部屋をノックして入ると、立って待ち構えていた直矢に壁に押しつけられ、キスされた。
「んぅ…ッ」
両腕を掴まれ、重なった唇の隙間からすぐに舌が差し込まれる。
「…っは、待て、ナオ…んぅッ」
「もう1週間待ったっつーの」
余裕のない声が降り注ぐ。獣のようなまなざしで見下され、心臓が早鐘を打つ。
俺より15cmも身長が高く、兄弟とは思えない頑丈で恵まれた体格は、近づかれただけで小さな草食動物の気分にさせる。
おまけに見た目もオールバックにしたセミロングの金髪、右耳に開きまくったシルバーのピアスと派手でイカツい。
目つきの鋭さも相まって威圧感が半端じゃない。なのに俺は、距離を詰められただけで喉を鳴らしてしまう。
――特に、今日は。
「ん、んっ…っふ…んぅっ」
再び舌が触れ合い、ぴちゃりと音をさせて絡まり始めるとじんと腰が甘く疼いた。
「早くシよーぜ、兄貴」
濡れた目で見つめられ、頷くのももどかしかった俺は直矢の首に縋りつき、唇を求めた。
毎週土曜日の昼下がり。両親が揃って外出するこの時間。
――俺達は、兄弟から恋人になる。
*****
「ああぁ…っ!」
真下からめり込んできた直矢の屹立が内壁を擦り上げ、体中に強い電流のようなものが走り、背中が引き攣る。
ベッドで直矢に跨る形で受け入れる男根は猛々しく、何度繋がっても俺の体を竦ませ、ひどく興奮させる。
「…んっ、…あっ、ん…ぅ…っ」
内部を圧迫する圧倒的な質量にぞくぞくと体を震わせていると、直矢が気遣うような仕草で口づけてきた。
唇が熱い。分厚い舌で口腔を撫で回され、舌先を吸われると腰に甘い痺れが走り、後孔が竿の根本にきゅんと食い込んだ。
「相変わらずキチぃな…ヘーキか?」
「…あ、うん…」
毎回聞いてくれるの、優しいよな。見た目は怖いのに。と、内心おかしくも嬉しく感じていると「何ニヤついてんだよ」と腰を揺すられた。
「…ッアァ…! 待って! まだっ、っう…ああッ!」
硬い先端に前立腺を刺激され、びりびりする感覚の後に頭がぼうっと熱くなっていく。
「ナオ…! あっあっ…あぁ…こ、これっ」
「兄貴、こうやってココ擦られんの弱いもんな」
「…ん、そこ、すきぃ…っ」
徐々に箍が外れていく感覚に身を委ねる。
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