優秀な執事からは逃げられない (Page 2)
成人を迎えて何度目かの飲み会の時のこと。
いつも以上に盛り上がり、だいぶ遅い時間になってしまった。
スマホを見ると何件も真斗からの着信が。
きっと、怒っているだろう。
俺は、友人達と別れてから真斗に連絡をした。
「……もしもし」
「…あ、あの…真斗、ごめん…すごい盛り上がっちゃって…」
「…はぁ……本当に心配したんですよ。今、どこです?」
案の定お怒りのようで、深いため息をつく真斗。
俺は、今いる場所を伝えた。
それから暫くして迎えにきてくれた真斗は、口数少なく家まで運転してくれた。
そして家に着き、俺の部屋にまで着いて入ってくる真斗に不穏な空気を感じて声をかける。
「あ、あの…真斗?俺、着替えるから…」
「…私が手伝います」
「えっ!い、いやいいよ!自分で着替えるから!」
「……あなたは、まったく私の気持ちが分かっていないんですね」
「え、な…何…?」
「私は…ずっと大雅様が好きでした…愛しています」
「は…?…で、でも…俺…」
「…まだ、あの女性のことを引きずっているんですか?」
「あっ、あの子は…もしかして…真斗が彼女に何かしたのか…?この前、お前の顔見るだけで怯えて…」
「私は、ご挨拶しただけですよ」
「で、でも…」
「……あなたが大人になるのを待っていた、と言ったでしょう…もう、我慢しませんから」
そう言って真斗は俺をベッドに押し倒した。
慌てて抵抗をしてみたけれど、真斗の力には敵わずあっという間に服を脱がされ裸にされてしまった。
「まっ、待って…!なんで…」
「待てません……言ったでしょう、あなたを愛してるんです…自分のものにしたい…誰にも渡したくない…ずっとそばで守ってきたのに…」
今にも泣き出しそうな真斗の顔。
そうだ…真斗は、どんな時でもそばにいてくれた…俺を、ずっと守ってきてくれた。
それを思い出すと、心温まるような何かが胸に込み上げる感覚がある。
身近すぎて、今まで気付かなかっただけなのかもしれない。
俺も…真斗のこと…好きなのかな…。
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