セックス、お届けに参りました (Page 3)
ぜえぜえ息をついて烈が枕に顔をうずめていると、千景に背中を小突かれた。
「なにへばってんだ? まだまだこれからだろ」
「うう…」
「そうだ、あれ使ってみようぜ」
「あれって…?」
烈が持ってきた大きな箱をカッターで開ける千景。
「先週注文しといたんだよ」
「も、もしかして…」
千景がにやっと笑って、色とりどりのアダルトグッズを取り出した。
「これで遊ぼうぜ」
*****
「あ、ああああ、あ」
バイブの振動に合わせて声が震える。
ふわふわの手錠で拘束された両手は、痛くはないが動かせない。
乳首と亀頭を同時におもちゃで責められて、体中媚薬入りローションでぬるぬるにされる。敏感になった後孔に、千景がディルドをあてがった。
烈は期待と恐怖で悲鳴を上げた。
「待って、今後ろされたらっ…!」
「どうなるんだろうな」
「嫌だっ、あっ、うあああ」
ずぶずぶと侵入してくる冷たい塊に体をのけぞらせる。
「おかしくなるっ! お尻壊れちゃう!」
「壊れたら俺が面倒見てやるよ」
「死ぬ、ひあっ、死んじゃう!」
「死なない死なない」
体にまきつくランジェリーは、既に汗と精液とローションでどろどろ。あられもない自身の姿が、興奮をかきたてる。
「あっ、んああ、ひいっ、んっ」
「すげーイくじゃん。そうだ、今度夜にそこの公園行ってみようぜ。もちろんあんたは下着姿な。きっと面白いだろうな」
「や、うあっ、んあ…!」
千景がいきなりバイブのスイッチを入れる。
強すぎる快感に、烈は意識を飛ばした。
*****
物音がして、烈は薄く目を開けた。
いつのまに寝ていたのだろう。窓の外はもう白み始めている。
いつのまにか体は綺麗に拭かれており、シーツも新しいものに変わっている。
「千景さん…?」
「うわっ」
段ボール箱をごそごそ触っていた千景が飛び上がる。
「何してるんですか?」
「な、なんでもねえよ」
後ろに何か隠そうとした千景の手から、小さな塊が転がり落ちる。
「これって…指輪ケース?」
だれにあげるものだろうか。
唇がわなわなと震える。
「千景…さん、やっぱり俺じゃ満足できなかった…?」
「ち、ちげーよ。これはあんたにあげる用」
「…え?」
顔をあげると、千景が照れくさそうにうつむく。
「あーあ、本当はもっと段階踏もうと思ってたんだよ。告白して、付き合って、それから指輪買いにいって、このケースにいれてあんたにあげようと思ってたの」
「えっ、でも、そんなそぶりは全然…」
「いきなり告って振られたら立ち直れねえじゃん。ゆっくり俺のこと好きになってもらうつもりだったのに」
こんなにすぐバレるなんて。千景が口の中でもぞもぞとつぶやいた。
「俺…! 俺も! 千景さんが好き!」
「…え?」
千景が目を丸くする。
「だから…!」
「…っ!」
千景が烈をぎゅっと抱きしめて、薬指をなぞった。
「いつかこのケースに本物の指輪入れて、あんたに渡すから。それまで待ってて、烈さん」
「うん…うん!」
差し込む朝日の中、2人はずっと抱き合っていた。
Fin.
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