ヤンキーくんと優等生

・作

地味で真面目な大学生、良平には、いわゆるヤンキーの彼氏、祐がいる。「僕たち、どうして付き合ってるんだろう……?」同級生の彼とお昼ご飯を食べている時、ふと不安になった良平は、祐にそのことを聞いてみるが……?正反対の二人のほのぼのした話。

大学の屋上、ベンチの備えつけられているそこで、さっき買ってきたばかりのハンバーガーに口をつける。ファストフードの味にはいまだに慣れないけれど、彼が好きなものを食べているときは彼と同じ感覚を共有できているみたいで少し嬉しくなる。僕は隣をちら、と見て恐る恐る問いかけた。

「おいしい……?」

「うん、めっちゃうめぇ!」

隣に腰かけている祐くんは、

「やっぱここのはいつ食ってもうめぇなあ~」

なんて言いながら、本当においしそうにてりやきバーガーをほおばっている。そのあどけない笑顔を見ると、不思議と僕まで笑顔にさせられてしまうのだった。

 

祐くんは僕と同じ学科の同級生で、僕らは周りには内緒で付き合っている。祐くんはいわゆるヤンキーって言われるような容姿をしていて、髪は金髪、耳には9個もピアスが開いている。対する僕は眼鏡に黒髪、ピアスなんて一つも開いてないまっさらな耳をしている。同じゼミの仲間に

「お前ら並ぶとオセロみたいだな」

とからかわれたことだってある。こんなに性格もスタイルも違うのに、どうして僕なんかと……。そうやって考え込んでいると、祐くんが僕の顔をのぞきこみ、目の前で手をひらひらさせた。

「もしも~し。良平、聞いてる?」

「あ、いや、その……」

「なにか言いたいことあるなら言えば?」

そうやって隠されるの、俺あんまり好きじゃないし。彼はポテトをくわえながらそんなことを口にした。うらやましいな。僕だったらきっとそんなこと言えない。祐くんには敵わないなと思いながら、僕はさっき考えていたことを正直に伝えることにした。

 

「祐くん、どうして僕なんかと付き合ってくれてるのかなって……」

祐くんとは同じゼミで出会った。なかなか周りに打ち解けられない僕を見かねて、祐くんが話しかけてくれたのがすべての始まりだった。それがきっかけで今では祐くんをはじめとするゼミの仲間とも仲良くできている。でも、なんで祐くんが僕なんかに声をかけてくれたのか今でもわからない。だって僕は、特別目立つような学生じゃなかったから。僕は続ける。

「だって僕、佑くんみたいに面白いこと言えないし、勉強ばっかりしてて何も知らないし……一緒にいてもつまらないんじゃないかって……」

「バーカ、何言ってんの」

祐くんは僕のほっぺたを指先でつまんで、顔をぐっと近づけてこう言った。

「好きじゃなきゃ、こうやって二人きりで遊ばないっつーの」

そしてちゅ、と音を立てて唇を奪われる。とっさの出来事に目を白黒させていると、祐くんはおもむろに出会ったあの頃のことを語りだした。

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