攻めるのは俺だ!

・作

無事に恋人同士になっての初めてのお泊り。薫は男同士のエッチのやり方について勉強をして、恋人の亮を抱くつもりでいた。しかし、亮は逆に薫を押し倒してきたので、納得のいかない薫はだったらと亮が提案した『先にフェラでイかせた方が攻め』という勝負にのったけれど…ラブラブなエッチ話です。

男同士ということで、いろんな障害があって、でもそれを二人で乗り越えて晴れて恋人同士になった俺達だったけど…

今、最大の難関にぶつかっていた。

*****

「えっと、なんで俺、押し倒されてるんだ?」

恋人になってから初めてのお泊り。

もちろん、そういうことも覚悟してはきた。

このために男同士でのエッチのやり方の本とか動画とか…ただ、それはあくまで俺が『攻める側』前提での話だ。

最初だから、大好きな恋人…亮に少しでも気持ちよくなってもらいたくて、俺なりに勉強してシュミレーションも脳内で何度も繰り返した。

なのに、どうして俺が『受ける側』になっているのかがわからなくて戸惑っていると、亮は逆に不思議そうに首をかしげた。

「なんでって…そりゃ、俺がお前を抱くからに決まっているだろ、薫」

そうか、俺は抱かれる側…すなわち『受け側』なんだ~そっか…じゃない!!

ごく自然に亮がそんなことを言うから、うっかり流されそうになったけど、そうじゃない。そうじゃないんだ!!

「ちょっと待て!これはおかしいぞ。落ち着け、亮」

「いや、おまえが落ち着けよ」

冷や汗を流しながら俺が亮をなだめると、亮はあきれたように半目になって俺を見た。

「俺は、今日という日をすご~く楽しみにしてきた」

「それは、俺も同じだ」

「それで俺は、亮に少しでも気持ちよくなってもらいたいから、必死になって男同士でのやり方の勉強をしてきたんだ」

「それで?」

「俺は、ものすご~く勉強してきた!おかげで男同士のやり方についてはマスターしたといっても過言ではない!だから、俺が亮を抱くべきなんだ!」

「却下。ただ知識をつめこんだだけでマスターしたとは言えないな」

必死に説得してみたけど、亮にピシャリとはねのけられて、俺は少しムッとなった。

「まるで自分はそうじゃないって言いたげだけど、そういう亮は経験あるのかよ!」

かみつくように俺がそう叫ぶと、亮はあっけらかんとした表情でとんでもないことを口にした。

「俺、大学生の頃、ゲイ風俗で働いてたんだが…言ってなかったっけ?」

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