画商は画商の夢を見る ~好敵手は恋人?~ (Page 5)
「トモヨシ、トモ、ヨシ……、ん、出る、出していい、よな? きつく、もっと強く締め付けて、くれ……っ」
「ふぁ、あぁ、ゃっ んぁ、ァッ 絵、絵はいら、ない、から……、はぁ、アッ フィル、フィル、中に出し、て、くれ……!」
前立腺を激しく突かれ、その切っ先が奥をえぐった愉悦に堪えきれず、智義は達して身体の中のフィルデナンドをきつく締め付けた。
うめいたイタリア人は奥まで突き入れて中に出し、出したそれを塗りつけるように細かく腰を揺さぶる。
それにも感じて藻掻き、じわっと腹の奥に広がる熱に目を閉じて感じ入り、智義はいつの間にか閉じていた目を開いた。
脱力してのし掛かってきたフィルデナンドも身体が重く、熱い。
「トモヨシ……」
音を立てて額や頬にキスし、丁寧に肩を撫でたイタリア人がゆっくりと身を起こす。
呆然としたまま彼を見上げ、智義はまだ身体の中に残っている快感に緩く吐息した。
まだ身体の中に居座るイタリア人の性器は容量があり、息苦しいほどだった。
「さっき、お前、アータートンの絵、いらないって言った、よな?」
「……え?」
何を口走ったのかすぐには思い出せなかった。
頬、唇に軽く口付けたフィルデナンドはそんな智義の姿に笑い、顔をすり寄せながら本気になっていいか、と問い掛けてくる。
意味がわからずに智義は画商の好敵手を見上げた。
「本気か……?」
「お前の身体、確かに最高だ。だが俺は間違ってたよ。俺がお前に負けたのはこの身体のせいじゃない……、そうだろう?」
「んっ!」
ゆらっと揺さぶられて喘ぐと、腹の底で見る間にイタリア人の性器が膨らんでいく。
智義は目をみはって唖然とフィルデナンドを見あげた。
ニヤッと笑った陽気な男はゆっくりと腰を引き、そのなんともいえない心地よさにあごが突き上がる。
「こっち、処女だったんだろう? 無理に抱いて悪かったよ。お前が絵のためとはいえ誰かと寝てると思ったら我慢できなかったんだ……。だから恋人として立候補したい」
「ひぁッ」
バカ言うな、という叫び声は上げられなかった。
また激しく突き込まれて智義は喘ぐ。
ふざけるなと思う一方で、この激しい情熱に身を委ねたいと思う自分に動揺しながらのし掛かるイタリア人を見つめる。
「フィル、フィル、は、ぁ……ッ!」
「愛してる、トモヨシ」
「!」
にこっと笑ったフィルデナンドは楽しげに舌なめずりすると、呆然としている智義を激しく揺さぶり、イギリスに居た時からずっとお前が好きだった、と甘い声で告白した。
Fin.
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