想い、こじらせ (Page 3)

「ぅ…」

その言葉と表情に六太は少し泣きそうな表情を浮かべた。

響也は六太の両手に自分の手を絡めると、腰を浮かせたその先を凝視した。

六太の華奢な腰が、ゆっくりと降りてくる。

アナルへとペニスの先端が触れた瞬間に、強烈な快感が響也を襲った。

ぐらりと脳みその髄まで焼けてしまいそうな、酷い快感だ。

少しずつ、ほんの少しずつ熱がペニスを覆っていく。

このまま突き上げてしまいたいような、でももっと味わっていたいような。そんな葛藤が生まれる。

「はぁ、あ!きょ、やぁあっ!」

「もっと、奥だ…っ」

ふいに六太が体勢を崩して結合が深くなり、悲鳴みたいな嬌声が響く。

唐突な快感に、それでも貪欲に欲しくて突き上げてやれば腹に熱がかかった。

六太が全身をガクガクと震わせている。絶頂したのだろう。しかしもう響也は止まれなかった。

ぐいっと腹に力を入れ、六太を床に押し倒す。

「っ、っ、っ!まってきょ――」

「どうなっても知らねぇって、いったろ?」

汗で顔面にへばりついた髪をかき上げて、意地悪く笑えば、六太の喉がひゅ、となった。

ほんの少しの怯えと大きな期待。その表情を見て取った響也は六太の細い腰をつかむと深く穿ったペニスを乱暴に引き抜いた。

「んあぁ!って、まって僕いったばっかなの、にっ」

「俺は、まだだ」

うねる六太の体内と熱にすぐにでも果てそうだ。

それを気力で押し込み、ペニスをゆっくりと引き抜いては乱暴に突き上げた。

六太の口はもう嬌声以外を出さず、限界といわんばかりに全身が痙攣を始めた。

「いいよ、イけよ。おれも――」

追い詰めるように六太のペニスをつかむと上下にこすった。

「あぁ、っきょうちゃん、きょうちゃん!」

きょうちゃん!高校の時の呼び名を叫ぶ六太に、下半身の質量が増していくのを感じた。

ずっと、こうしたかった。

苦しい片思いの時もそのあとも。でも大事にしたい気持ちが勝って動けなくなって。

「でももう、容赦しない」

そう呟くとより深く強く腰を打ち付けた。

「っあぁ!」

2度目の絶頂。六太は響也へとしがみついて精を吐き出した。

うねる体内に響也は深く腰を打ち付けて体内へと欲望を解き放った。

「ごめんな、六太」

がくん、と力を失った六太の頬へとキスを落とす。荒く上下する胸へと唇を滑らせ乳首へとかじりつく。

頭上から聞こえたうめき声に目を細めて、優しく舌で転がせば、ぴくぴくと肩が揺れる。

「でも、お前が悪い」

「っ、きょうちゃ」

独り言だと思っていたつぶやきに声が返って視線をそちらに向ければ、半分意識を失っているような六太。

「大好きだよ。きょうちゃん」

六太が伸ばした手に、響也は頬を摺り寄せた。

「っ!俺もだ六太」

ふ、と嬉しそうに微笑んで意識を手放した六太の唇へキスを落とす。起こさぬようについばむように。

「大好きだよ」

そう呟いて、もう一度キスをして。

全身をつつむ心地よい倦怠感に身を任せ、響也も意識を手放すことにした。

Fin.

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