もう子ともじゃありません!
白樺依織(イオリ)は、15歳年上の叔父さん、黒柳勝彦(カツヒコ)にずっと恋をしていた。「20歳になったら、付き合ってあげる」という幼き日の約束を胸に、20歳の誕生日当日会いに行くが…?
叔父さんが押しに弱いことは知っていた。
退路を断つように叔父さんを壁に押し付け、いわゆる壁ドンの体勢で見下ろす。
叔父さんは、ええとなんて言いながらひきつった笑みを浮かべて頬をかいている。
この日をどれだけ待ったか、この人は知らないのだ。
僕の気持ちなんて、とうの昔から気が付いていたくせに。
「依織?あの、これはどういう…?」
「今日、誕生日です」
ァア、そうだったねおめでとう。なんて白々しい表情をしている叔父さんに小さく舌打ちする。
「約束覚えていますか、覚えていますね?」
「ぇっ…?約束…?」
僕は今度こそ盛大に舌打ちした。
この天然タラシは、僕のことをもてあそんだんだ。
怒りに任せて襲ってしまおうか、と叔父さんを睨(にら)みつけて、ふと耳が目に入った。
短く黒い髪から見える白い耳は、確かに真っ赤に染まっていた。
「その、それは…ハハ。忘れ――」
「忘れたなんて、言わせない」
自嘲気味な笑みを浮かべた叔父さんの言葉を奪うように、唇へと嚙みついた。
「っふ!?ィオ…!」
「シッ…黙って」
逃げようとする顎を片手で抑えて、口内深くへと舌をねじ込んだ。
叔父さんの口の中はとても熱くて、時折香るたばこの匂いに苦みを覚える。
「ゃめ、ッ」
逃げる舌を追いかけて、甘噛みする。
ビクリと跳ねる体に口角を上げて、舌を吸ってやれば表情に焦りが見えた。
叔父さんは体を必死にねじって、両手で僕の胸板を押すが微々たる抵抗にもなっていない。
だが、かたや35歳細マッチョ。かたや20歳まぁ筋肉質。当然、力でかなうはずもなく。
「叔父さん、勝彦叔父さん…ッ」
「ま、って…依織!」
叔父さんが顔をそらしたので、眼前にさらされた首筋へと唇を落とし軽く痕を付ける。
「依織、まって―」
「こんなに硬く熱いのに、待つんですか?」
耳元で囁いて、熱く硬くなって主張している叔父さんのペニスをグリ、と膝で触れば、大げさなほど飛び上がった。
叔父さんの両手を壁に押し付け、熱を持った耳朶(じだ)を食(は)んで優しく問いかける。
「約束、果たしてください…」
「んぅ…!耳、ダメ」
レロ、チュとわざとらしく卑猥な音を立てて耳を舐めれば、叔父さんの腰がぶるりと震える。
「まぁ」
「っ」
わざと低い声を出せば、叔父さんの息が飲む音が聞こえた。
「時間はたっぷりありますし。ね?」
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