捕虜の戦士は魔道師に調教される
騎士のアランは敵国の捕虜になっても、かたくなに口を割らなかった。そんな彼の前に魔道師の男が現れる。これまでの尋問と違い、暴力でなく快楽で口を割らせようとするそのやり方に、アランは翻弄されてゆくのだった。
鞭(むち)で叩かれようが、体に電流を流されようが、殴られようが、俺は口を割らなかった。
痛みに耐えることは慣れている。
床に打たれた杭に鎖が繋がれ、俺の手足は拘束されていた。
鎖は多少の長さがあり、少しは身体の自由がきいたけれど、逃げられないことには変わりない。
座り込んだまま気まぐれに腕を上げれば、鎖からジャラリと鈍い音が響く。
部屋の扉が開く音がして、身体に緊張が走る。
そこに立っていたのは、スラリとした体格で柔和な顔をした男だった。
微笑みをたたえている様子がなんとも胡散(うさん)臭かった。口元は弧を描いてても、瞳の奥は笑っていないのがわかる。
近寄ってくる男に警戒を強めつつ、今日も始まるであろう尋問を耐え抜くように己を鼓舞する。
「アラン君かぁ、きみは強情みたいだね。そういう子には、ムチでなくアメでどろどろに甘やかすほうが効果的かな」
「っ」
急所である陰茎をいきなり握られて、思わず体がこわばる。
「少し、腕と脚の筋肉を弛緩させようか。念のため腹筋もね」
目が合うとキィン、と耳鳴りのような音がする。この感覚は心当たりがある。
(こいつ、魔道師か…!)
自然と体の筋肉がゆるんで、鍛えたはずの肉体がろくに抵抗もできないまま押し倒されていく。
全力で動かそうとしても、やんわり押し返すのが精一杯だ。
男が何かを呟くと、それだけで粘度のある水をまとった指が、俺の中へと入ってくる。
「ひっ」
「狭いな…もしかして処女?」
「テメェ…ッ!」
「顔も整ってるからてっきり経験あると思った。男所帯の軍でよく無事だったね」
好き勝手言いながら中をまさぐる指先に嫌悪が増す。
「でも、ここは魔法でゆるめたりしてあげないからね。自力で頑張ろうね」
先程のようにまた魔法をかけられないよう、視線を絡ませないために目をつぶったけれど、そのせいで男の指の動きを余計に意識してまって唇を噛んだ。
ヌチ、と入れられた指が動いて思わずうめいた。屈辱と、違和感から来る苦しさで吐き気がする。
最近のコメント