真面目な上司は僕の可愛い恋人
生真面目でミスや怠けを絶対に許さない、社内で最も面倒くさいと悪名高い上司には意外過ぎる裏の顔があった。怖い上司のイメージとは真逆で、実は付き合っている後輩にいつも性的に可愛がられている。危ない社内恋愛のお話。
登場人物
不破泰生 (ふわ たいせい)
譲羽いおり (ゆずりは いおり)
「どういうことだ!!」
突然怒号が響き、社内が静まり返る。
縮こまる女性と険しい顔の大男が何やらもめているようだ。
「締切に間に合わないだと?
進捗確認の時には順調と言っただろう!
あれは嘘だったというのか?」
「そ、そんなことは」
すみません、すみませんと何度も謝る彼女にその男は厳しい言葉を浴びせ続ける。
彼は不破泰生。生真面目でミスや怠けを絶対に許さない、社内で最も面倒くさいと悪名高い男だ。
「毎回こんなことでどうするんだ!仕事量と配分を上手く管理しろと教えたはずだ。
難しい仕事は渡していないのだからそろそろしっかりしろ!」
僕は落としたカップを拾い流しへ置いた後、いまだに声を荒らげている彼と女性の間に立った。
「不破さん。彼女も反省してるんですから、それくらいにしてあげてください。
皆さんの仕事にも影響が出ますし、ね?」
僕の言葉に周りを見渡し咳払いをひとつすると、彼はオフィスを出ていった。
つかの間の平和にみんなほっと息を吐き、オフィス全体の空気がすっと緩むのがよくわかる。
「譲羽さん、ありがとうございます……。
お手数お掛けしてすみません」
「あ、いえいえ。僕はああいった気難しい方と仕事するの慣れてますから。お気になさらず」
別に僕は彼女を救おうなどと高尚な気持ちがあったわけではないので、ぺこぺこと頭を下げる彼女に社交辞令を並べてみせる。
すると急に後ろから思い切り背中を叩かれた。
「さっすが不破係!
いつも社内の雰囲気を守ってくれてありがとよ!」
「そんなんじゃないよ。
悪口言ってると不破さんにまた怒られるよ?」
「げっ!」
彼がいない間だけはここも和やかな雰囲気になる。
自由を喜ぶ彼らにお昼行ってきますねと声をかけ、僕はオフィスを後にした。
真面目な上司は僕の可愛い恋人
もっとこの二人に会いたい
かわいさ満点です
リーマンも、体格差も、シチュも好みです
コロコロ さん 2021年4月4日