倒錯した愛~義兄弟の愛のカタチ~
数年前、親の再婚をきっかけに義兄弟へとなった達哉と怜哉。兄の達哉への愛情が大きく膨れ上がり、歪な形へ。ある日、兄から見知らぬ香りが漂い──想いは爆発してしまう。そんな弟怜哉へ兄の達哉が投げ掛ける視線は、言葉は…。
僕たちの愛の形は、普通ではない。それは最初からわかりきったことだった。
だけれど。それでも、僕は愛して愛して愛おしくて…仕方がなかったんだ。
*****
「うっ…っ、ぐぅ…」
くぐもった呻き声と荒い息遣いが静寂の中響き渡る。薄暗い部屋の中で縛り上げられ、蠢くようにして身体を捩り涙に濡れた瞳で訴えかけるソレは淫らに白く浮かび上がるようだった。
「兄さん」
懇願していたはずだというのに、いざ久方ぶりに声をかけられると驚いたのか身体が跳ね上がった。そんな様子ですら愛おしい。
「ねぇ兄さん、僕は兄さんの事が好きなんだ。だから、ね?わかってくれるよね?」
その白い身体へ指を這わせると、びくりと震わせる。色は白いが程よく引き締まりすらりと伸びた四肢は淫靡で、いついかなるときもまるで僕を誘っているかのようだった。
秘部から伸びるコードの先のスイッチへ手を伸ばしたことに気が付くと、縛り上げられた体躯を捩り呻き抵抗を見せるものの、僕は表情一つ変えずにスイッチを最大で入れる。
「んうううっ!」
「ふふっ、気持ちいい?さっきまで少し元気なかったこっちもまた凄いことになってるよ?」
愛しい兄のその中心部、男性器へ手を伸ばし軽く指で弾くと、ぬるりとした先走りを垂らしながら大きく揺れた。
「ふぅー…、うー…」
口枷を噛ませられ、だらだらと涎を垂らしながら睨みつける兄の顔はさながら野良犬の様で優越感と快楽でぞくりと背中に刺激が走る。
―――この倒錯した愛になんて名前を付ければ良いのだろうか。僕たちは男同士で。義兄弟で。愛し合っていたのに、彼は裏切ってしまった。
倒錯した愛がいけなかったのだろうか。それとも、僕がいけなかったのだろうか。
「ねえ、達哉兄さん。どうして僕じゃ駄目だったの?僕を、一人にしないって…約束したじゃないか」
ぽろり、と頬を伝う熱い涙が、一つ零れ落ちた。
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