お持ち帰りしませんか?~立ち飲みゲイバーで好みの相手にモーションかけたらお持ち帰りされたらまさかの職場の上司でした!?~
金曜日の仕事終わりは決まって立ち飲み兼ハッテン場のゲイバーへと行っていて、そこで気に入った人にお酒を奢り相手もその気であればそのままバーに併設されてあるホテルへと向かって朝まで過ごすのが習慣になっているが、運が悪いのかなんなのか、顔も体格も好みの男がまさかの会社で相性が悪い上司だった―!?
「はあ…今日もいい出会いあるかなぁ…」
毎週金曜日の夜は、仕事が終わり次第近くの漫画喫茶でシャワーを浴びて着替えをしてから行きつけのバーに行くのがボクの習慣だ。
スーツを脱いで、シャワーを浴びる。髪を乾かしたら前髪を全て後ろに流し、オールバックにしてワックスで整え、薄いグレーのカラーコンタクトをつける。仕事中は外しているピアスをつけたら仕事中のボクとは真反対の姿が鏡に映った。
*****
この二重生活は大学生の頃から続けている。
高校生の時に、自分は男が好きなんだと気づいた。
通っていた高校は男子校で、先輩や同級生に淡い恋心を抱き、あまつさえ抱かれたいという性的欲求まで持ったことで目をそらすことができなくなり、向き合うことに決めた。
だけど、公にする勇気もなくて、こうやって別人のように見た目を変えて二重生活を楽しむようになったんだ。
お酒が飲めるようになってから通うようになったこのバーは、出会い系アプリの掲示板での待ち合わせによく使われるところだった。
とある人と待ち合わせする時にここを使い、それ以来アプリでの待ち合わせ関係なく、通うようになった。
毎週のように顔を見せるからか、もう顔馴染みになった人も多い。
こういうツテは大事にしておけば、ワンナイトラブ用の相手を紹介してくれることもあった。
相性の善し悪しもあるけど、一夜限りのことだし、そのへんはあんまり気にはしてない。
ここのマスターも顔が広い上に犯罪系は絶対許さない人だから、安心して利用できるのもポイントが高い。
最近のコメント