社畜は今日も眠れない
同棲をしている、ブラック企業に勤める翔と大学生の洋介。
少し強気で翔が大好きな洋介は、気弱で仕事を押し付けられて残業ばかりさせられている翔のことが心配なものの、留守番をさせられることが気に食わない。
その鬱憤をぶつけるように翔を抱く。
現在、午前3時過ぎ。
終電で帰宅してから俺は、一度も休ませてもらっていない。
「はぁっ…あっ、ぁ…も、許し…て…ッ…」
「…っ…やだよ…俺、ずっと待ってんの…寂しかったんだから…ッ…」
「あァっ…ぁッ…もう、無理…だってっ…」
「だーめ…ずっと俺を、放っておいた罰だよ…」
「だって…し、仕事…っはぁ…」
「そんなブラックなとこ…早く辞めちゃいなよ…っ…」
そう言って洋介くんは、俺のネクタイで結ばれた両手を頭の上で掴んで二重に拘束し、何度も何度も後ろから突き上げてくる。
もう、何度イったかわからない。
まともに足に力も入らず、壁に身を預けるだけ。
呼吸もままならず、もう思考すら溶けてしまっている。
*****
こんな状況に陥ったのは、今から2時間ほど前のこと。
そろそろ帰れそうだとメッセージを送った途端、発生したアクシデント。
もう帰らせてくれと何度願ったかわからない。
結局、洋介くんにメッセージを送ってからだいぶ経ったころ、やっと退勤して終電に飛び乗った。
「あと30分くらいで帰れるってメッセージ来てから、俺ずーっと待ってたんですけど」
「ご、ごめんって…俺も早く帰りたかったんだけど…そうもいかなくて…本当、ごめん…」
「翔さん、ずっとそんなんばっかじゃん。もう、そんなブラックなとこ辞めちゃえよ」
洋介くんは不機嫌なまま、じりじりと俺を玄関の壁に追いつめてきた。
金色の少し長めな前髪の隙間から覗く瞳は鋭く、獰猛な獣に狙われているようで抵抗ができない。
そして、噛みつくように何度も口付けられながらスーツのジャケットを脱がされ、乱雑にネクタイを解くと俺の腕を纏めて縛った。
「…っ…ちょ、ちょっと待ってよ!」
「もう、たーくさん待ちました」
そう言って、抵抗する間も与えられないままシャツのボタンも全て外されてしまった。
やがて口付けは深まり、舌が絡まるたび静かな部屋に小さな水音と漏れ出た吐息が響く。
そんな音すらも俺には快楽に捕らわれる要因になり、正直もう休みたいのに洋介くんから与えられる快感を求めてしまう。
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