二度目のHは糖度100
目が覚めると、初体験の相手は消えていた。准一はやるせない気持ちのまま大学へ向かう。しかし昨夜の相手が同じ大学の生徒だと知り…。「君の初体験をやり直させて!」それは激甘セックスの始まりだった!
「ねぇ、もしかして初めて?」
そう耳元で囁かれ、俺は思わず赤面した。
「…ちげぇよ」
「ナカ狭いから、初めてかと思って」
図星だった。
クラブで出会ったばかりの男とホテルに流れ込んだ。
アナニーの経験はあったが、いざシーツの上で四つん這いになると、不安と恐怖に脚が震える。
先だけ挿入されたペニスの圧迫感に耐えながら、俺はできる限り平然を装った。
「久しぶりだからじゃねぇの」
「そっか」
俺の腰を掴み直すと、
「だったら、このまま奥まで突っ込んでいいよね…」
と言って、背中に体重をかけた。
「え…ちょっ…あああっっ!」
ズプン…っと硬直した陰茎がアナルに押し入る。
ゾリゾリと粘膜をえぐりながら、奥へ進んでいくのがわかった。
「まっ、待って…んああッッ」
ばちゅんッ!と、最奥に打ち付けられる。
内臓が押し上げられ、痛みだけではない初めての感覚に俺は体を震わせた。
そこからの記憶はあまりない。
目覚めると男の姿はもうなかった。
*****
上京して3年。
閉鎖的な田舎から抜け出し、東京で大学デビューを図った。
それなりに友人ができ、タバコと酒の味を覚えた。
物心ついた頃から俺は男が好きで、東京に行けばそういったコミュニティに簡単に入れると思っていた。
しかし、気がつけば二十歳を迎えても恋人はおらず、性的にも未経験のままだった。
そして昨晩、焦った俺はクラブで知り合った男をホテルに誘い、ロマンチックのかけらもない初体験を済ませた。
「終わってみれば、こんなもんかって感じだなぁ」
俺は大学の講義を受けながら、ぼんやりと窓を眺めた。
「え…?」
視線の先に、俺を抱いた男がいる。
窓の外から俺に向かって、ヒラヒラと手を振っていた。
「…ウソだろ」
俺は慌てて目をそらすと、荷物をまとめて教室を出た。
「なんでっ…なんであいつが大学にいるんだよ…」
クラブもホテルも薄暗かったが、男の顔はしっかりと覚えている。
焦っていたとはいえ、初体験の相手にはそれなりの男を選びたい。
俺は自分より少し背が高く、清潔感があって人当たりがよさそうなやつに声をかけた。
ホテルのエレベーターでキスをされた時は、うっとりしてしまうほどイイ男だと思った。
「…ねぇ!待ってよ!」
背後から昨晩の男の声がした。
俺は振り返らず無視を決め込む。
「ねぇってば!今朝は先に帰っちゃってごめん!」
顔見知りの集団が先に見え、俺は慌てて振り返った。
「おいっ、お前…ちょっと来い」
俺は男をにらみつけると、人の出入りが少ない資料棟へ向かった。
男は小走りになって後に続くと、遠慮なく話を続けた。
「俺、水野慶太。経済学部の3年。君は?」
「教えるかよ」
「いいよ、他の子に聞くから」
「…古沢准一。学部はお前と同じだ」
俺は渋々答えると、普段は使われていない資料室を開けた。
そして水野を押し込むと、内側から鍵をかけた。
最近のコメント