女装癖のライバル~彼はネコとは言ってません~ (Page 5)
「ねぇ、翔」
「…なんだよ」
「僕たち、付き合わない?」
「は?!」
薫がそうつぶやいたのは、ぐしゃぐしゃに抱きつぶされた数時間後だった。
あれから薫は先に体力を取り戻して、動けずにいた俺にスポーツドリンクのペットボトルを渡した。
「お前、自分が何言ってんのかわかってんのか?」
「もちろん」
「正気とは思えねぇんだが?」
「正気に決まってる」
「なんで…?」
「僕ね、もともと翔のこと気にはなってたんだよ」
薫の衝撃発言に、俺はペットボトルを落としそうになった。
「は?いつから?!」
「編入初日…かな」
「…それにしてはケンカ腰だったじゃねぇかよ」
「ふふっ、お互い様じゃん」
「それは…まぁ認めるけどさ」
「いや、先にじゃれてきたのは翔だからね?」
「じゃれてねぇわ!」
「それが可愛かったからいつか襲おうとは思ってたんだよね~」
俺は薫の満足そうな顔に、あぜんとした。
「ところで…お前の女装癖って、よく他の奴らにばれなかったな」
「え?とっくにバレてるけど。女子数名に」
「…はぁ?!じゃあ何で取引なんて…」
「そんなの襲えそうだったからだよ」
「なッ…!!」
「チャンスは掴むものだもん」
薫はそう言うと俺の方を見て、にやりと口角を上げた。
「な、なんだよその目は…」
「翔…今度は向かい合ってやろうよ」
「は?今?!」
「うん!今!」
「ふっざけんなよ!!どれだけ疲れると思ってんだ!!」
「大丈夫だよ、翔は僕より体力あるんだから」
「そういう問題じゃ…あぁッ」
薫の手はいつの間にか俺のペニスに伸びていた。
「ヒュ~、戦闘態勢じゃん」
明日のゼミは…多分休むしかなさそうだ。
Fin.
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