化かしあいはなしで (Page 2)
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「いっててて…お前、荷物持つときは少しずつって何度言ったらわかるんだよ」
「す。すみません~…でもおかげで片付きました!」
ありがとうございます、と狸沢は俺にぺこりと頭を下げた。
「まあいいよ、ったく、こんな時間か。…飲みに行くのは今度な」
俺がぶつぶつとつぶやいていると、ふと、狸沢は俺にこんな言葉をかけてきた。
「俺たち、タヌキとキツネなのに仲良しですよね」
「はぁ?」
「ほら、タヌキとキツネといえば化かしあいのイメージじゃあないですか。でも、俺たち化かし合いどころか、ありのままでいれてるなぁって」
「つまり、どういうことさ」
「好きです!!」
そう声を張り上げると、狸沢は俺に大きな体で抱きついてきた。
書類の一部に本があったために、俺のシャツが裂けていた。
どうやら狸沢はそんな俺の姿に、抑えきれなくなってしまったようで。
「ごめんなさい!!」
俺の破けたシャツを脱がすと、周囲を警戒し俺に口づけをした。
「…ッ!!あん、だよっ!!」
「ああもう、やっぱりこんこん先輩が好きですっ!!」
顔を真っ赤にしながら俺のそんな様子を見て、自らのソレをまさぐり始めた。
「せ、先輩、もっと、キスしていいですか」
「……」
俺は無言になってしまった。ただ、否定の言葉が出てこなかった。こくり、と頷いた。
すると彼はまるで餌にかぶりつくかのように、俺の身体にキスをし始めた。
今まで我慢してきたのだろう。そのキスは彼らしい不器用さを含みながらも、
俺のことを愛している気持ちが伝わってくる優しいものだった。
「好き、です、っ…!」
俺の身体に何度も唇を落とし、自然に反り立った俺のものを見て、そっと目をそらした。
「……欲しいんだろ」
狸沢はちいさくコクリと頷き、俺の唇に初めてキスをした。
「怖かったんですっ…!俺っ、こんこん先輩に、拒否されるの、…っ!!」
そう言って泣き始める彼の頭をそっと撫でて、今度は俺の方からキスをした。
「来いよ」
「いいんですかっ、おれ、我慢できない、っ!!」
そういうと俺のものを口に含み、じゅるじゅると音を立て舐め始める。
「さすがに、先輩は慣れてないですもんね。だから今回は口で気持ちよくさせてあげますね」
そういうと、優しく、今度は激しく、それを繰り返すように、俺のものをなめる。
雷のような気持ちよさが走った。
「や、やめっ」
「先輩、可愛すぎますって…っ!!」
むしろ舐めるという行為は激しさを増していく。
「そろそろ、出ちゃう、じゃねえか…!」
「いいですよ」
ぴゅっ、と白いものが彼の口の中に飛び出していった。
「好きです、俺の愛を、受け取って」
彼は口に俺のものを含んだまま、最後に一つキスをする。
苦くて、けれどとても甘いキスだった。
Fin.
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