化かしあいはなしで (Page 2)

*****

「いっててて…お前、荷物持つときは少しずつって何度言ったらわかるんだよ」

「す。すみません~…でもおかげで片付きました!」

ありがとうございます、と狸沢は俺にぺこりと頭を下げた。

「まあいいよ、ったく、こんな時間か。…飲みに行くのは今度な」

俺がぶつぶつとつぶやいていると、ふと、狸沢は俺にこんな言葉をかけてきた。

「俺たち、タヌキとキツネなのに仲良しですよね」

「はぁ?」

「ほら、タヌキとキツネといえば化かしあいのイメージじゃあないですか。でも、俺たち化かし合いどころか、ありのままでいれてるなぁって」

「つまり、どういうことさ」

「好きです!!」

そう声を張り上げると、狸沢は俺に大きな体で抱きついてきた。

書類の一部に本があったために、俺のシャツが裂けていた。

どうやら狸沢はそんな俺の姿に、抑えきれなくなってしまったようで。

「ごめんなさい!!」

俺の破けたシャツを脱がすと、周囲を警戒し俺に口づけをした。

「…ッ!!あん、だよっ!!」

「ああもう、やっぱりこんこん先輩が好きですっ!!」

顔を真っ赤にしながら俺のそんな様子を見て、自らのソレをまさぐり始めた。

「せ、先輩、もっと、キスしていいですか」

「……」

俺は無言になってしまった。ただ、否定の言葉が出てこなかった。こくり、と頷いた。

すると彼はまるで餌にかぶりつくかのように、俺の身体にキスをし始めた。

今まで我慢してきたのだろう。そのキスは彼らしい不器用さを含みながらも、

俺のことを愛している気持ちが伝わってくる優しいものだった。

「好き、です、っ…!」

俺の身体に何度も唇を落とし、自然に反り立った俺のものを見て、そっと目をそらした。

「……欲しいんだろ」

狸沢はちいさくコクリと頷き、俺の唇に初めてキスをした。

「怖かったんですっ…!俺っ、こんこん先輩に、拒否されるの、…っ!!」

そう言って泣き始める彼の頭をそっと撫でて、今度は俺の方からキスをした。

「来いよ」

「いいんですかっ、おれ、我慢できない、っ!!」

そういうと俺のものを口に含み、じゅるじゅると音を立て舐め始める。

「さすがに、先輩は慣れてないですもんね。だから今回は口で気持ちよくさせてあげますね」

そういうと、優しく、今度は激しく、それを繰り返すように、俺のものをなめる。

雷のような気持ちよさが走った。

「や、やめっ」

「先輩、可愛すぎますって…っ!!」

むしろ舐めるという行為は激しさを増していく。

「そろそろ、出ちゃう、じゃねえか…!」

「いいですよ」

ぴゅっ、と白いものが彼の口の中に飛び出していった。

「好きです、俺の愛を、受け取って」

彼は口に俺のものを含んだまま、最後に一つキスをする。

苦くて、けれどとても甘いキスだった。

Fin.

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