コネて叩いて転がす愛 (Page 5)
床は痛いから立ちバックでいいよね、とか何とか豆本が言ってたようだけど、ケツ向けられて、さらにそのケツの穴のクパクパしてるところを見たら、もう一瞬だった。
ヌブッ。
左右に割り開いたケツの真ん中に俺は自身を滑り込ませた。
うねりながら絡みついてくる豆本のケツの中が熱い。
「あ~……んっ、やっぱ、すごい、ね、……竹崎、さん……っ」
「無駄口たたいてないで……締めてろ……」
「あは、は、ギャップ萌え、しちゃう……かもっ!」
痺れる頭じゃ何も考えられなかった。
とにかく気持ちよくなりたい。
早く気持ちよくなりたいという一心で豆本の腰を加減なく揺さぶり、前後に腰をひどく振りまくった。
「ん!あっ、あ……!」
「かずき……」
途中、どうしてそうなったのか、知らない間に俺の左腕は豆本の両手首を一つにまとめ上げ、右手は豆本のソレをくちゅくちゅ扱いていた。
「あ、あ、ああっ!イク、たけさ、きさ……!」
「俺の後でたっぷりイケ」
「あ、っあ……ひど、い……!」
イキたいと懇願する豆本を置き去りにして俺は豆本の中に一発といわず、二発、三発、自分が満足するまで性欲に従った。
*****
「た~けさきさ~ん。どうしたの?もうずーっと怖い顔しかしてないよ?」
「笑うなよ……俺は自己嫌悪に陥ってるんだよ……!」
あれから記憶がボケボケで、気がついたら俺はゲストルームのふっかふかのベッドの中で爆睡。
朝だよって起こされたら7時ちょっと過ぎ。
今日は定休日だったんだよね~、とのんきに笑い、体大丈夫?と心配されて、これは夢だ、もう全部が夢だったんだと現実から逃げようとした。
「意外とっていうか、よかったよね。俺たち」
「パン屋の朝ごはんってパンじゃないんだな」
「洋食も好きだけど和食も好きなんだよ。中華も好きだから朝から麻婆豆腐のときもあるし」
ふっくら、つやつやの白米と、わかめと豆腐のみそ汁と焼き魚と漬物のラインナップ。
目の前に座る豆本の笑顔は出会ったときと同じ輝きを放っていた。
「俺、なんでも食えちゃうタイプなんだ」
「こんな干からびたおっさんも範囲だったんだな」
「え~?竹崎さん、干からびてなんかなかったじゃん。あれからずぅ~っと自分が満足するまで俺のことなんか一回もイカせずにさぁ」
「白飯うまいな。どこの米?」
「ね、連絡先交換しようよ」
「この魚、なんて言ったっけ?焼き加減も最高だな」
「またエッチしたいな~?今度は俺を縛ってくれてもいいから!こう見えてどんなプレイにも対応できるんだよ」
「ああ、もうこんな時間だ。悪いな、飯まで食わせてもらって」
「お弁当、作ったから持って行ってよ!」
「俺はもう今後一切おまえとは会わない。うん。それがいい。お互いのためだ!じゃあな!」
こうして後腐れなく(一方的に。)別れた俺たちだけど、神様ってのはどうやらお暇らしく。
「アッハッハッハ!竹崎さん、すっごい顔してる~!」
「なんでうちの会社の前でパン売ってんだよ……」
「う~ん。コネがあるから?あ、パン屋だけに!」
名刺も何も渡していないのに豆本、再来。
竹崎湊、三十五歳、SNS映えする新発売のパンを両手に、強張った笑顔の画像をアップされ、まめぱん工房の店長と親しいらしいと社内で噂になり、女子社員から毎日のように豆本の連絡先を聞かれる生活が始まった。
「竹崎さん、モテモテじゃん。俺、やきもち焼いちゃうよ」
「誰のせいだよ、誰の!」
「焼くのはパンだけにしろって?アハハ!言うね~!」
もう勘弁して。
Fin.
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