愛おしきは年上の恋人~落としたばかりの先輩刑事と道場で~ (Page 3)
「諸田さん、大丈夫、もう全部入った、から。……きつい?」
「あ、あぁ……」
ぎこちなくあごを引きながら、諸田は大きく息をして圧迫感を逃がそうとしている。
その顔中にキスを落とし、直己はさらに強く身体を押しつけて奥をえぐり、ぎゅっと強まった締め付けに目を細めた。
たまらなく気持ちがいい。
「バカ、もう入れ、んな……!」
「ねぇ諸田さん。あなたの奥の奥まで、全部俺のもの、ですよ。……大好きです」
「ァ、アァ!バカいき、なり、動く――ひぁ、アッ!ふぁ、ゃ、ん、ぐ、ぃ、激し、アァ、アッ!直己、待て、直己……っ、ぅあっ、止め、待て、直己……!」
直己は生粋のゲイだ。
これまでに何人もの男を抱いてきたが、こんなにも愛おしい喘ぎ声を聞いたことがなかった。
七つも年上、しかも刑事として先輩である男を激しく揺らしながら、直己は熱に浮かされたような興奮に身を委ねて強烈な愉悦を貪る。
「愛している、諸田さん、大好き、もっと感じ、て?ほら、こことか、突かれるとたまらない、でしょ……?」
「ひぁ、あぁ、直己、ゃっ、もう突く、突く、な、出る、も、イク、前、前触って、くれ、ぃん、ぐ、はぁ、アッ!」
壁に立てられた爪が滑っている。
その光景にすら舌なめずりをして、直己は重たげに揺れている諸田の性器を掴んだ。
切っ先から溢れるぬめりで濡れたそれを手荒に扱くなり、中がぎゅっと締まって細かくうごめく。
「ぁ、アッ、直己、直己……ッ、ぃ、んン――!」
「諸田、さん……っ、くっ!」
まだ慣れておらず、性器への刺激がないと出せないとはいえ何時間も入れっぱなしで慣らした後ろは愛おしげに直己をぎゅうぎゅうに締め付けて震えた。
逆らわずに出し、ゆらゆらと身を揺らして奥へと塗りつけながら、直己は熱くなった身体を抱き締めて顔や耳やになだめるようなキスを落とした。
達した心地よさと幸せに身体だけではなく胸の中まで熱かった。
「……愛している、諸田さん。そのうち中でイケるようになったら、もっと気持ちよくなるから」
「わか、った、中で、だな。……ん?」
余韻のせいだろう、ぼんやりと返事をした諸田がふと目を瞬かせ、いぶかしげに直己を見る。
「中で、イケる?」
「そうですよ。中に気持ちいいところ、あるでしょう? 慣らせばそこだけでイケるし、もっと奥に最高に気持ちい――」
「……待て、待て待て、お前、なに言って」
どうやら生粋のノンケである諸田は前立腺すら知らないらしい。
青ざめる先輩を見ながら直己はあれっと首を捻った。
「言ってなかったですか?え?調べてもない?」
「……――」
どうやらないらしい。
青ざめ、今さらにお前とはもうセックスしない!と藻掻く先輩に少し慌てながら、直己は腰を揺らして復活した性器をぐっと奥まで差し込んだ。
途端に喘いで抵抗の弱くなった恋人を抱き締め、生活安全課の新米刑事は締まりのない笑みをこぼす。
「あぁ、もう、本当に可愛いですね、諸田さんは。大好きです!」
お前なんか嫌いだ!と喚きながらも、軽く揺さぶるだけで喘いで背を仰け反らす諸田を抱き締め、直己は年上の恋人を愛せる喜びに浸って顔中にキスを落とした。
Fin.
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