初めてのラブホの相手は職場の先輩でした (Page 2)
ガラッ。
「失礼します!」
「おっ!?おぅ」
ジャグジーでくつろいでいた先輩の顔が、ピクリと動いた。
「あ、あんまり見ないでください…」
「す、すまん…初めて見たもんで、つい…」
俺が裸を見られたくない理由、それは…。
「まさか、お前がパイパンだったなんてな!」
先輩はまたいつも通りの笑顔に戻っていた。
よかった、引かれてない。
「俺、学生時代短期留学してて。その時向こうの友人たちに、不潔だ不潔だと言われて…やっちゃいました!」
俺は努めて明るく振る舞った。
体を洗いながら話を続ける。
「まぁ海外じゃ、それがマナーって聞くしな」
「そうなんですよ!でも帰国したら肩身が狭くって…」
「そうなのか?」
「はい…銭湯に行くと必ず二度見されます」
「まぁ…確かに日本では見慣れてないからな」
「でも向こうじゃ生えてると嫌な顔されるんですよ!?なんなんすかもう…居場所ないっすよ」
「そんなに落ち込むなよ。綺麗だよ、ソレ」
「えっ!?」
「懐かしいっていうか」
「ちょ!ガキっぽいってことっすか!?」
「ばーか。ガキにはそんな立派なモン付いてねーだろ」
よかった、いつも通りだ。
引かれたり、バカにされたりしなかった。
そもそも、先輩はそんな人ではないけれど。
自分が受け入れられたことがとても嬉しかった。
「先輩っ!背中流しますっ!」
気分がよくなった俺は、無理やり先輩を湯船から引き上げた。
「ちょっ、やめろよっ…!」
先輩の息子が、少し勃っているような気がした。
いや、何かの見間違いだろう。
その後、他愛のない話をしながら背中を流し、当然だが何事もなく風呂から上がった。
2人ともスーツを乾かすため、バスローブに着替える。
すると突然、非現実感が襲ってきた。
やばい、バスローブで先輩と同じベッドで寝るってことか…。
ちょっと気恥ずかしいな…。
そんなとき、おもむろにテレビが付けられる。
大画面では男女が絡み合ってまぐわっている。
「せ、先輩っ!?」
「あ、ごめん。ラブホ来たらAV見ない?」
「いや、あ、そっすね、見ます」
ラブホってAV映るのか…。
あぶね。
初めて来たことバレるとこだった。
ゴロゴロとくつろぎながらAVをぼんやり眺めていると、
「やっぱり、毛はない方がいいな」
ボソッと先輩が呟いた。
「ホラ、男優みんな毛ぇ生えてるだろ?お前の方が綺麗だった」
「な!?何言ってんすか」
まだ酔っていたのだろうか。
目がいつもの先輩じゃない。
「なぁ、お前の綺麗なの、もう1回見せてくれよ…」
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