ブラックコーヒーにミルク (Page 3)

三

熱い。

店のドアをカチリと閉めた音を合図に、私は彼に覆い被さるようにしてキスをした。

舌を絡めながら、カウンターまで押しやると、彼は熱い息とともに

「ずっと、こうしたかったんです」

と、さきほどの言葉の続きを吐いた。

私はまるで初めてキスをした時のように必死になりながら、彼の身体をまさぐった。

彼から小さい声がもれるたび、身体が熱くなるのを感じた。

下半身が苦しくなり、スーツを押し上げているのがわかる。

そっと彼の手がそこに触れ、思わず大きく息を吐いてしまった。

「こんなに…嬉しいです」

少し泣きそうな声で彼が言うものだから、私はたまらなくなってしまい、彼の黒いパンツに手を伸ばした。

「腰、あげて」

「あっ、そこは…」

彼は、だめです、と羞恥が入り交じった熱い目で私を見る。

その目だ。

その目がずっと好きだった。

「好きだ」

じわり、と彼の下半身が湿ったのがわかった。

お腹につきそうなほど反り返った彼のものを口に含む。

舐めながら、手のひらで優しくこすると、彼の吐息が早くなる。

「声、聞かせて」

咥えながら彼を見上げると、とろりと蕩けた顔をしている。

「だめです、もう、待って」

私の頭を優しく退けようとするが、腰が小さく動いている。

「本当はやめてほしくないくせに」

ぺろりと先端を舐めたあと、喉の奥で絞めたとき、彼は小さく震えた。

「あっ」

小さい悲鳴のような声と同時に、喉の奥に熱いものが流れるのを感じる。

苦い。コーヒーみたいだ、と思った。

それでも彼の顔を見ると、なぜだか甘くも感じる。

肩を上下にさせながら、名前を教えてください、と彼は呟いた。

名前すら教えてなかったことに気づいて、少し笑いながら私は答えた。

「サワタリだよ。サワタリケイゴ」

「ケイゴさん…」

素敵な名前ですね、と彼は言ったあと、私の首に手を回した。

「もう一回、してください。今度は、口じゃなくて」

言いながらキスをして、私の手を自ら秘部へと導いた。

興奮しすぎて脳の血管がちぎれてしまうのでは、と心配になるほど、私の身体は熱くなっていた。

「さっき出したばかりなのに、もう固くなってるね」

「言わないでください…」

耳元で囁きながら、私は彼に自分のペニスを押し当てた。

少し擦ると、彼が身体を震わせるのがわかる。

「早く…早く入れてください…ケイゴさん」

強引に中に入れると、彼の中がきゅっと狭くなった。

「ああっ」

短く熱っぽい声を出して、必死に首にしがみついてくる彼を愛しく思う。

「可愛いよ、ソウタ」

名前を呼ぶたびに締まる中に、何度も果ててしまいそうになる。

腰を打ちつけながらそっと彼のペニスに触れると、じわじわと液体が流れ出ていた。

それを指につけて、先端を優しく撫で回すと、彼はぎゅうっと私のペニスを締めつけ、射精した。

自身のお腹にかかるその液体を、彼は見つめ、恥ずかしそうに私の名前を呼んだ。

「ケイゴさん…先にイッてごめんなさい」

「そんなこといいよ。休憩する？」

腰を止めて抱きしめながら彼の耳元で囁くと、彼のペニスが元気を取り戻していくのがわかる。

「ケイゴさんのが入ってると思うと…僕、また…」

吐息が耳にかかる。

たまらなくなり、私はまた腰を打ちつけ、そのまま彼の喘ぎ声と一緒に彼の中に射精した。

引き抜くと、ペニスと彼の穴から精液が垂れる。

「大好きです、ケイゴさん」

「私もだよ」

笑いかけると、彼はいつもの涼しげな目で私を見た。