今夜、義弟に犯されます
新婚の純一(じゅんいち)の義弟となったのは、三年前にひと夏の愛人契約を結んでいた圭人(けいと)だった。「過去をばらす」と脅し、関係を迫る圭人に被虐嗜好(ひぎゃくしこう)を刺激された純一は抗いきれずに身をゆだねてしまう。
ファミリー向けのマンションの三階角部屋。
明かりをつけたばかりのリビングの入り口付近でもつれ合う男が二人いた。
「やっぱり、こんなのよくないって…」
ケモノのじみた荒い息遣いとともに、純一は自身を強引に抱き寄せる圭人の腕を振りほどこうと抵抗を試みた。
「今更なに言ってんだよ…期待してたくせに」
耳元で囁く声は湿っぽく、鼓膜を振動させる低音が純一の興奮を的確に煽(あお)ってきた。
「んっ」
彼の言う通りだ…マンションの前で純一を待ち伏せていた圭人を追い返さずに、部屋まで招いたのはこの展開を少なからず期待していたからだ。
「けど、僕には恭子(きょうこ)が…」
しかし、ようやく住み慣れてきたこの部屋に足を踏み入れた瞬間に、数ヵ月前に結婚したばかりの妻の顔が脳裏に浮かび純一は我に返った。
急激に込み上げた妻への罪悪感から圭人に「帰ってくれ」と頼むも、時すでに遅く…。
純一よりも若く体格もいい圭人には力では敵わず、彼の姉でもある妻の名を口に出してみるも身体を這いまわる手が止まることはなかった。
「黙ってればわかんねーよ。義兄(にい)さん、後ろはご無沙汰なんでしょ?」
「でも、ぁっ、ソコは…」
「ほら、もう乳首勃ってんじゃん…」
ただ服の上から上半身を撫でられていただけだというのに、ワイシャツの下で存在を主張し始める小さな粒。
その尖りを指で弾かれ、じんっと響いた刺激に力が抜けていく。
ガクリと膝が折れ、それに乗じた圭人に体重をかけられ、妻が選んだラグの上で難なく押し倒されてしまった。
「けいと、くん…やめ…君と、僕は…」
義理とはいえ、兄弟なんだ――と、言いかけている最中にまた乳首を弾かれ、最後までは言えずに喉を反らして喘いだ。
「どこをいじってほしい? 正直に言わないなら、あんたが昔、男買ってたって姉ちゃんにバラすよ」
しかも、未成年を――鼻息の荒い脅し口調が純一の背筋を冷たくする。
「待…っ、んっ」
それだけはやめてくれ――慌てて発した制止は、性急に重なった圭人の唇により、喉の奥で留まった。
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