プライスレス・ラブ (Page 3)
翌日、会社に行くと、いつものように俺の前に現れた霧島。
ちょっと来い、と人気のない場所へ。
「どうしたんですか、真鍋さん!誰もいない場所に連れ込んだりして!」
「これ、おまえだろ」
昨日、見せられた画像を霧島に突きつける。
一瞬だけ、表情を変えた霧島は、だけど、すぐにいつもの顔になった。
「やっと気づいてくれました?真鍋さん、こういうの疎そうだなぁとは思ってましたけど」
「そうか。やっぱり、おまえか。わかった。じゃあ、これで」
「え?それだけですか?正体バラされたくなかったら俺の言うことを聞け~!とか、そういうのは?!」
「ない」
「えぇ?!」
「別に、この画像の子がおまえだって、わかれば答え合わせは終わりだし」
「俺、女装が趣味なんですよ?今の時代じゃ、それも一つの個性だっていわれるけど、女装ですよ?」
「それは個人の自由だろ。俺がとやかく言うことじゃない」
「ま、真鍋さん、これ、ネットとかで広めたら、すごいことになるんですよ、わかってます?」
「わかるも何も、俺はそういうことには興味ない」
「好みじゃ、なかった、ですか」
「いや?正直、これは俺の好み」
「えっ!」
霧島の顔がパァッと輝いた。
「それじゃ、真鍋さん!今度の日曜、俺とデートしてくれませんか!」
鼻息荒い霧島に迫られ、思わず、頷いた。
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