ご主人様と執事様
民に信頼され、慕われている領主のアーサー。彼には、人に言えない秘密がある。執事のカイルと、主従関係を逆転した倒錯的なプレイに及んでいることだ。アーサーは今日もカイルを誘って、「ご主人様」であるカイルとの行為にふけっていく…。
その日の仕事を終え、執務室から自室に戻ったアーサーは、すぐさま執事のカイルを呼び出した。
「カイル。これから…しないか」
「…いいですよ」
何を、と言わずとも、カイルにはその意味がすぐに通じてしまう。
彼はわずかにうなずくと、部屋の鍵と窓、カーテンを閉め、ベッドサイドのランプのみに明かりを点けた。
有能な執事らしく手早くそれらを終えて、振り向いたカイルの目の中には、アーサーに対する尊敬の色が消えている。
ここからはプライベートな時間……主従関係を逆転させた、倒錯的な趣味の時間だ。
「では…アーサー、服を脱ぎなさい」
「はい……ご主人様」
初めは軽いイメージプレイのつもりで言い出したアーサーだったが、いつの間にかこうして「ご主人様」のカイルに抱かれるのでなければ、満足できなくなってしまった。
この地を治める領主である彼にこんな趣味があるなどということは、二人にとって最も重大な秘密だ。
カイルは執事としてアーサーの望み通りに振る舞っているというよりも、才能ある役者のように「ご主人様」に変身し、アーサーに命令しその体を支配する。
アーサーは期待に震える手で、自らのシャツのボタンを外し始めた。
*****
「壁に手をついて。尻をこちらに向けなさい」
無表情で命令するカイルを前に、体の奥が疼くのを感じながら、アーサーは言われた通りの姿勢をとった。
カイルはアーサーの腰を乱暴に引き寄せると、少しのためらいもなく、一気に深くまで挿入した。
「ぅあぁあっ…!!」
アーサーは震える手足に必死に力を入れて、壁に向かって爪を立てる。そうしたところで快感を逃がすことができるわけではなく、アーサーのペニスからは白濁がとめどなく溢れた。
「おっと……床が汚れてしまいましたね」
最奥をえぐるように腰を叩きつけて、アーサーに覆いかぶさるようにしながら、カイルはアーサーの耳元で呟いた。
こんなにも激しく抱いているのに、言葉は冷静で侮蔑的な色さえ帯びている。
「ひッ、ごめ、なさ…」
「何ですか? もっとはっきりおっしゃい」
「ぅあぁっ!?」
奥を突かれると、情けない声が腹の奥からこみ上げる。乱暴に腰を打ち付けてくるように見えながら、的確に前立腺を擦り上げられて、アーサーはまともに話せる状態ではなかった。
「ふぁ、あ、ぅあぁああッ!?」
ガクガクと膝を震わせ射精したアーサーの腰をがっちりと支えながら、カイルはなお動きを止めることはない。
「叱られて達するとは、情けない…」
「いぁっ、いまイったばっか、で、」
「口の利き方がなっていませんね…っ」
怒ったように壁に押し付けられて、アーサーは逃げ場を失ってしまう。
激しく抱かれるほど昂ぶっていく自身をはっきりと感じながら、アーサーは快楽に身を任せて、行為に溺れていった。
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