ご主人様と執事様 (Page 2)
目を覚ますと、アーサーはベッドに寝かされていた。
すぐそばにきっちりと服を整えたカイルが控えていて、いつも通りの穏やかな笑みを浮かべている。
「お体の具合はどうですか?」
「大丈夫…。とてもよかったよ」
カイルの姿にも、床や壁にも、先ほどまでの行為の痕跡は残されていない。
アーサーの体も綺麗に拭きとられていたけれど、意識を失うほど激しく抱かれた感触は、体の奥に生々しく残っている。
「満足していただけたら、何よりですが。あなたの趣味にも困ったものです」
あきれたように言ったカイルの、もう一つの顔を知っているのはアーサーだけだ。
他人に支配され抱かれる感覚は、激しい快楽となってアーサーを喜ばせる。
しかしそれとは別に、カイルが自分だけに見せる表情があることにも、アーサーは満足感を覚えているのだった。
Fin.
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