あいつと俺の公然な関係 (Page 4)
巌男は抵抗もむなしく、木箱に精液を吐き出した。大量の白濁が木材を汚し、むせ返るような倉庫の中に青臭い匂いが充満した。
「犬、俺の種をくれてやる…!」
追いかけるように静も巌男の中に射精した。巌男を征服するかのような勢いで、静の精液は中に吐き出された。
しばらく二人が熱い息を吐く。
ズル…ちゅぽん、と音がして、静のペニスが引き抜かれた。射精したあとでも雄々しいペニスは、さまざまな粘液で光っていた。
支えのなくなった巌男は、ずるずると精液まみれの床に崩れ落ちる。突っ伏した巌男は、強すぎる絶頂の余韻を必死に払い、こぶしを握りしめた。
「…て、やる…」
「何だと?」
身支度をしている静をにらみあげ、巌男はうなるように言った。
「殺して、やる…!」
巌男の殺意を込めた言葉に、静はくすっ、と笑った。
「おもしろい犬だ。やってみろ、できるものならな」
「俺は犬じゃねぇっ…!」
吠える巌男に、静は再度笑った。
「調子に乗るな、犬。俺に一度も殴り合いで勝ったことのないおまえを、人間扱いなどしない」
「ぐっ…」
一度もケンカで勝ったことがないのは事実だ。うめく巌男に、静は言った。
「いいか、犬。俺はおまえを身も心も支配してみせる。そうなれば最後、尻尾を降ってペニスをねだるだけの犬になる」
うそぶく静に、巌男は叫んだ。
「やってみやがれ、できるもんならな!」
二人の視線が交差する。
心だけは屈しない。巌男はそう決意して、去っていく静の背中をずっとにらみつけていた。
Fin.
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