事故物件と欲求不満幽霊 (Page 2)
「ん……?」
下半身に違和感を覚え、悠介は目を覚ました。慣れない仕事の疲れからか床でスーツのまま寝落ちしてしまったらしく、身体の節々が痛い。痛いというか、動けない。動けない?どういうことだ?かろうじて動く目できょろきょろと周囲を見渡すと、ひとりの男が悠介の性器をくわえていた。
「あ、起きたー?」
ひらひらと手を振ったその男は半透明で宙に浮いていた。
「は!?」
「いや〜、新しく入居してくる人がいるって聞いて待ってたんだよ?こんな若い男の子が来てくれるなんてオレってばラッキー!」
男はしゃべりながらも悠介の性器をいじり続けていた。
「お、お前何なんだよ!?ていうか何してんだよ!?」
「オレは多分ユーレイみたいなもんじゃないかなぁ?何してんのってのは見てわかんない?」
「わかるけどわかりたくない!」
「恥ずかしがっちゃって可愛い〜!もしかして君童貞?」
「……」
「黙ってるってことは図星かぁ」
男がパチン、と指を鳴らすと瞬く間に彼は全裸になった。金縛りをされている悠介はそんな彼を見て逃げることはおろか視線をそらすこともできなかった。
「お、俺に何する気だよ!?」
「え、別に痛いことはしないよ?」
ぺろり、と舌なめずりをして男は笑った。
「オニーサンが君の童貞もらってあげるってだけだから!」
「ひぃぃっ!」
おびえる悠介の声を無視して男は悠介の性器にまたがり、ズズズッ!と一気に自身の胎内に挿入した。
「あ、ちょっと待っ、やめ、」
「あぁっ、やっぱこの瞬間サイコー!」
悠介の静止も聞かず、男はリズミカルに腰を振り続けた。
「やっぱり若い子の童貞もらうのって楽しい〜!」
「……っ!」
男のテクニックはなかなかのものであり、悠介はあっという間に射精してしまった。
「え、早いなぁキミ早漏(そうろう)?」
「し、知らないですよ!」
告げられた言葉に悠介は真っ赤になって反論する。しかし早々に射精してしまったことは事実であり、それ以上反論はできなかった。
「うーん、キミ可愛いからサービスしちゃおっかな?」
パチン、と再び男が指を鳴らすと悠介の身体が軽くなった。
「普段なら逃げられちゃうから金縛りといてあげるとかしないんだけど、キミならもう一回好きな体位でやらせてあげてもいいよ」
にっこりと笑う男の顔がヤケに綺麗に見えて、悠介の胸は高鳴った。
「……ねえ、アンタ名前は?」
悠介は意を決して男に訊ねた。男はびっくりしたように目を見張った後、くすり、と笑って言った。
「オレの名前?そーだなぁ……」
ふわり、と悠介の首に腕を回し、耳元で男が囁いた。
「オレを満足させてくれたら教えてあげる」
「……わかった」
この日から悠介と幽霊の奇妙な同居生活が始まったのであった。
Fin.
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