我慢しないで声出して (Page 2)

「んっ。……ぅ、んんっ」
「…………はっ」

 ぐちゅぐちゅといやらしい水音が部屋に響く。俺はベッドに工藤先輩を組み敷き、その中をしつこく解していた。
 工藤先輩の肌はどこもかしこも熱くとろけていた。髪をふるふると震わせ、体をひくつかせては襲い来る快楽に耐えている。

「ふぅっ。うぅっ。ん、ん、っ」

 枕を噛んで彼は必死に声を押し殺す。枕で隠れているせいで彼の顔は見えないが、そこに滲む汗や涙の痕を見て、いいのだろうということはわかる。
 工藤先輩はいつも声を出さない。枕やシーツを噛んで声を押し殺し、俺に聞かせようとしないのだ。けれど俺は、彼の声が聞きたくてたまらなかった。

「先輩。ねえ。口開けてくださいよ。声が聞きたい」
「…………っ」

 先輩はふるふると首を振る。俺は真っ赤になった彼のうなじを舐め、耳元でくぅんと甘えた声で鳴いた。

「ねえ、だめですか?」
「うっ……く、…………だめ、だっ」
「何で聞かせてくんねえの……」
「あっ! ひっ、んんんっ!」

 ぐに、と中の膨らんだ部分を指で強く押し込む。それまで緩い刺激しか与えていなかったそこを突然責められた先輩は、くうっと喉を鳴らして大きく体を跳ね上げた。
 昼に女子達が話していたことが何となく頭に残っていた。工藤先輩の声が俺は好きだ。だからこういうときこそ、余計に彼の声を聞きたくてたまらなかった。
 声を出してくれやしないかとしつこく中を責め立てる。彼はひぃひぃと泣き声のような呼吸を繰り返す。

「っ、あ! ――――っ!」

 しこりをトントンと指で叩くように刺激すれば、工藤先輩は何度目かの射精をした。きゅうっと肉壁がひくつき俺の指をしゃぶる。必死に呼吸を整えようとする先輩の肩を押し、いまだ絶頂から下りきっていない体をいじる。

「んあっ!?」
「今日はまだまだ終わらせませんから」
「なんっ……んんっ!」

 なんで、と言いたげに先輩は一瞬俺を振り返った。とろとろにとろけた顔にごくりと喉を鳴らす。
 俺は普段よりたっぷり時間をかけて前戯する。何も考えられなくなるくらいに先輩を甘やかし、声を出させるために。

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