我慢しないで声出して (Page 4)

「やだっ。やだぁ! 聞くなあぁ……ああぁっ!」
「…………無理でしょ。こんな、聞くなって。先輩、可愛い。めっちゃ声可愛い」
「あっ、嘘っ。んああっ!」
「嘘じゃない。すっごく可愛いよ、工藤先輩」

 先輩の耳元に囁いた。念願叶ってようやく聞けた先輩の声は、予想以上に可愛くてたまらなかったのだ。
 可愛い、と何度も耳元で囁く。興奮に俺の体も一層熱を持っていく。
 何度も言い続けるうちに先輩の反応が変わっていく。不安気だった目がとろんと甘くなり、必死で唇を噛もうとしていた口元が緩んでいく。

「ひゅ、ッ――――!」

 前立腺を押し潰すように腰を打つ。先輩はビクッと大きく仰け反って、甘く引き絞るような悲鳴を上げた。彼の反り返ったそこからは何も出てこない。すっかり出し尽くしてしまったのか、それとも中イキをしたのか。
 半ば気を飛ばしかけている先輩が、不意に俺の首に抱き着いた。すっかり力の抜けた弱々しい抱擁をしながら、彼は甘ったるい声で何度も俺の名前を呼ぶ。

「ひなぁっ。ひ、ひなたぁ……っ」
「…………はっ」
「すぃ、すきぃ。しゅき。ひなた、しゅ……ひいいぃっ!?」

 バチュバチュと結合部からいやらしい水音が響く。速度を上げられた工藤先輩は甲高い悲鳴を上げ、足をバタつかせて俺から逃れようとした。
 逃がすわけがない。甘い声で何度も名前を呼ばれ、俺もとっくに限界だった。これまでずっと彼の声を我慢していた分が、ぐらぐらと煮立つ欲望となって襲いかかる。

「先輩っ。工藤先輩っ。好きです、俺も、大好きです」
「ッッッ…………! ああああっ!」
「もっと、声聞かせて。先輩っ……!」
「あ――――っ! ああ――――っ!」

 先輩は何度も絶頂する。俺の性器を食むそこはきゅうきゅうと悲鳴を上げ、酷い快感に悶えていた。
 ぐっと奥歯を噛み締め、俺は先輩の中に射精した。

「きゃうううぅっ!」

 ドロドロにとろけきった悲鳴を上げ、工藤先輩は深い絶頂を迎える。ビク、ビク、と何度か体を痙攣させた後、先輩はくたりとシーツに沈んで目を閉じた。
 背中をぞくりと駆け上る快感を感じながら、俺はゆっくりと腰を引く。ぬぽっと抜けた性器と先輩の間にやらしい糸が引いていた。

「…………あー」

 彼の赤らんだ目尻に口付ける。いまだ小さく震えている彼の唇にも何度かキスをして、俺はずるずると力が抜けたように彼の首元に頬をすりよせた。

「やっぱり工藤先輩の声、さいっこう」

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