数カ月ぶりの再会、熱帯夜 (Page 4)
「たつ、き、…っ、!」
「は…っ、千景…、」
ぱん、と互いの腰骨がぶつかるほど奥へそれが押し込まれると同時に、達樹の首筋を汗が伝った。それは自然にぱたっと千景の胸元へ落ちて、自分達が今何をしているのか生々しく教えてくる。
千景はほとんど衝動的に達樹の首元へ腕を回して顔を寄せ、にじむ汗を舐め取った。ガツガツと揺さぶられながら必死ですがって、首筋を食む。滑った舌先が急所を這うのに達樹は息を詰めて、なんとか刺激をやり過ごしたようだった。
もっと繋がっていたいけど、お互いにもう限界が近いのは明らかに思えた。
達樹が仕返しとばかりに弱いところを正確に突き上げてきて、千景は慌てて達樹の背中へ爪を立て、しがみつく。
「ぅあ、あ、!やば、!っ、ふ…っ!」
「チカ、…も、いきたい、」
「あ、あっ、!お、れも、っ、も、」
もっと突いて、と懇願するように見つめると、達樹は突き下ろすような動きを速めた。室内に響く下品な音と互いの荒い呼吸は二人をよりあおって、千景は押し寄せる快楽に身を委ねるほかなかった。これ以上ないほど奥へ突き立てられる度に視界は白くかすんで、もう欲を吐き出すこと以外に何も考えられない。
千景はごりごりと自分を攻め立てる達樹のものが一番奥でさらにぐっと大きくなったのをぼんやりと感じて、悟った。
達樹はもう堪えるつもりなど毛頭ないように千景の腰を掴んで、自分本位に腰を打ち付ける。その激しさに、千景はおざなりにされている自身の熱へもっと明確な刺激が欲しくて、自分で指を絡ませ、扱いた。
「っ、!っあ、い、く、っ」
「ん、おれも、っ、!」
千景のものからびゅく、びゅく、と濁った体液が溢れるのを見て、達樹も一番奥の方へと自身の欲を放った。どくどくと粘液を吐き出す度に軽く揺すって、馴染ませるようにゆっくりと動かす。焦点の合わない目でぼんやりと達樹の顔を見上げると、達樹は堪らないといった様子で口づけてきた。
何度も口づけて、徐々に下の方へ、じっとりと湿った首筋にも口づけを落とす。くすぐったい刺激にいまだ息の整わない千景は身をよじって、大きく息を吸った。
「チカ…大丈夫…?」
「ん、だいじょーぶ…」
気持ちよすぎた?と耳元で意地悪く聞く達樹の声には、いまだ冷めない熱が含まれている。それに気づいた千景は少し返答に困って部屋の時計へ視線を投げるが、暗闇に包まれた中では見えるはずもなかった。それに、一度こうなってしまえば時間などより、久々の再会を心待ちにしていたのは千景も同じだった。
「もう寝たい?」
始まり同様寝かせるつもりなどさらさらない達樹の指が、もう一度千景の腰骨から鎖骨へを優しくなぞる。達樹には一度きりで終わるつもりなどさらさらなかったらしく、滴る色気を隠そうともせず顔を覗き込んでくる。
それはこちらも同じだった。なにしろ、数ヶ月もお預けだったのだ。
「…久しぶりに会えたのに、寝れるワケねぇだろ」
今度は千景も上機嫌で受け入れて、達樹の背へ許すように腕を回す。
引き寄せられるままに達樹はもう一度千景へ覆いかぶさって、二人はどちらともなく、再会をじっくりと味わうような口づけを交わしたのだった。
Fin.
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