義兄、雌犬ト化ス (Page 5)

沙百合は俺の目を盗んで時間の融通が利くコンビニや、大学時代勤めていた夜の店でまた、働き始めていた。このことを知っていたのは、絢斗だけ。絢斗は日に日にやつれていく沙百合を見て、俺を抹殺したいくらい憎んでいたに違いなかった。

彼女が暴走車に轢(ひ)かれて死んだ当日、最期にアイツを見たのも、夫の俺ではなく絢斗だった。20歳になった彼は、『自分の学費ぐらい自分で稼ぐよ。なんなら、大学辞めたっていいし』と言っていたのだが、沙百合がそれを許さなかったのだ。『大学は出て。じゃなきゃ、私や勝弘(かつひろ)さんがあなたと一緒にいる意味がないでしょ?』と返し、その場に重苦しい空気が流れていたのを思い出す。

当然絢斗は俺に何か言いた気だったのだが…家賃だけは俺が全額負担していたので、変に逆らえば沙百合と一緒に暮らせなくなるとでも思ったのか、反論はしなかった。

事故の日は雨で視界が悪く、彼女は絢斗に迎えを頼んでいたらしい。だが、絢斗がどれだけ待っても、沙百合が待ち合わせ場所に現れることはなかった――弟の待つ駐車場の数メートル手前で、彼女は静かに息を引き取っていたのだ。

*****

「ぅぐ…うあ…く、くるしッ…――」
「冷酷非道な義兄さんでも“苦しい”って感情はあるんだね。あーあ、床にまで鼻水とヨダレ垂らしちゃってさ、ブッサイクな顔!!」

ゲラゲラと声を上げながら、絢斗は俺の口腔内に指を突っ込み、歯をなぞったり、舌を引っ張ったり…硬口蓋(こうこうがい)を撫で上げる。

「うぅうう…ぐぅ!!」
「気持ち悪くなっちゃった?でも吐いたらだーめ。もっと遊ぼうよ――目を逸らさずによく見て。これが僕のち●ぽだよ」

絢斗は俺の鼻先で、履いていたジーンズを下着ごと足元に下ろした。そこには信じられないくらい大きなペニス…日本人とは思えないほどの厳ついブツがあった。

(――ウソだろ?幼い顔立ちのクセに…)
「えへへ。義兄さんのコトを想って、増強ポンプで毎日鍛えてたら、馬みたいになっちゃった!シリコンボールやリングも考えたんだけどね…義兄さんって処女でしょ?あんまりゴツゴツしたち●ぽだと、嫌われちゃうかもって…」
(こいつ、何言ってんだ――?)

いくつも浮かぶ疑問に、脳内の整理が追い付かない。俺を想って、と言っただろうか。下手すると絢斗は…いや、まさか――。

「ぅうん…はぁッ気持ちイイ…義兄さんの唾液で僕、ぼくぅ――!!」

“まさか”は皮肉なことに現実らしい。相手は俺の唾液に塗れた手を自身の先端にあてがい、自慰に興じていた。包皮を剝かなくても露出している亀頭はヌメヌメと光り、不気味で仕方ない。

「んッ!あ!あぁッ!!ねぇ、義兄さん。見てばかりいないで…僕のち●ぽしゃぶってよ」

シュッシュと音を立てて先ほどよりも入念に先端を扱いた彼は、どうにか逃れようとする俺の髪を掴むと、己のいきり勃ったペニスの鈴口(すずこう)をこちらの唇に当ててきた。

「義兄さん自身も犯され願望あるでしょ?ホラ、口開けて。義兄さんのち●ぽみたいに臭わないし、汚れてないから」
「うぐッ!!うごっ!!ぐぅぅ――ッ!!」
「義兄さん!!義兄さん!!義兄さん!!」

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