夜に咲く恋の華
男娼をしている田島玲央は、孤独感を埋めようと仕事に励んでいた。しかしそれでも満たされることは無く、ある日次の仕事を最後に男娼をやめようと決意する。その最後の仕事で出会った相手が外国人のような風貌の美男子で――。
埋まらない、埋まらない。
どんなにセックスを重ねても胸に空いた穴が埋まらない。
田島玲央はそう、男に抱かれながら思っていた。
玲央は男娼である。
元々孤独感を埋める為に男娼をしていた。
最初はよかった、だが徐々に足りなくなり、今ではまったく埋まらなくなった。
男娼も潮時かと考えていた頃、運命の相手と出会う。
それは見たこともない美男子だった。
髪は綺麗な淡いブロンドで、身長は自分の頭一つ分は上だろうという高さ、瞳もきれいなラピスラズリのような深い青。
玲央は何故こんな美男子が男娼宿などにくるのかと考えていたが、客の素性に疑問をもってはならないのがこの宿の掟。
最後にこんな美男子とセックスできるなんて割と運がいいのでは?と玲央は思っていた。
「今日はよろしくね」
そういいながら玲央は彼の体に手を這わせる。
彼はぴくりと眉を動かすと玲央の手を掴む。
玲央は驚きながら彼を見つめると、宝石のように透き通った瞳が玲央を射抜く。
強い意志を感じる視線に玲央は咄嗟に視線を外す。
「どうした?俺を楽しませるんじゃないのか?」
「!」
初めて聞いた声も凛としていて玲央はどきっとした。
玲央が彼の方を向くと、彼は相変わらず玲央を見つめていた。
そして目を細めて微笑む。
その表情を見てどきっとしてしまい、玲央は再び視線を外してしまう。
男娼として情けないと玲央を悔しがらせたが、そんなこともおかまいなしにブロンドの青年は玲央の頬に手を這わせる。
「そっちから来ないのなら、こちらからいくぞ」
青年がそういうと玲央は押し倒される。
ふわっと香る香りに玲央は既視感を覚えた。
「この香り…」
玲央が呟くと青年はふわりと笑う。
「思い出したか?まぁ抱くがな」
すると青年はするりと玲央の服の中に手をいれ、胸の飾りをつまむ。
「あん…っ」
男娼として開発されつくされた体はそれだけで体を跳ねさせる。
それをみて青年はにやりと笑う。
「随分と淫乱な体に育ったな」
「っ、やっぱり…君は…っ」
玲央が答えようとするとやはり体の感度のいいところを弄られ、何もいえなくなる。
そのまま青年は脚を広げさせ、玲央の秘部を暴く。
ローションで慣らされたそこを見るなり青年は楽しそうに笑った。
「もう準備万端じゃないか」
「…っ、男娼だからね、当然だろ、キース」
キースと呼ばれた青年はふんと鼻をならす。
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