黒く染まった恋
桜井瑞貴は男娼の仕事をしていた。永遠に続くと思っていた生活がとある青年の手によって変わる。ある日瑞貴が目を覚ますとそこは薄暗い豪華な部屋、そして手と脚には拘束具、ベッドに繋がれた瑞貴が起き上がって周囲を見渡すとドアが開く音が聞こえる。現れたのは見たこともない青年だった。
あぁ、もうどうでもいい。
そんな気持ちから身を売る仕事を始めたのだけ覚えている。
部屋の中にあるのは、むさくるしい熱と自分の汚い喘ぎ声、そして興奮したオスの吐息。
薄暗い光の下、俺、桜井瑞貴は今日も身を売るのだ。
こんな生活が終わることはないと思っていた。
ある日、そんな自分の姿が夜の街から消えた。
*****
がしゃん
目を覚まし、体を動かすとそんな音がする。
音の方向に視線を向けると拘束具。
自分はベッドに横になっているようだ。
鎖で繋がったそれは多少の長さがあるらしく、ベッドの周辺を歩くくらいなら問題はなさそうだ。
問題は誰がこんなことをしたのかだが。
起き上がって周辺を見ると薄暗い部屋で、ソファとローテーブルがあるのが見える。
敷いてある絨毯と高級そうな家具を見て豪邸だと思った。
ガタンとドアの開く音がして、しばらく間をおいて閉まる。
誰かが入ってきたようだ。
電気がつけられ、入ってきた人物と目が合う。
その人物とは面識がなく、客の1人かと思ったが、こんな端正な顔立ちをした客なら覚えていそうなのにまるで見当がつかなかった。
「会ったことあったっけ?」
「…お前のせいで」
柔らかな笑顔で聞くと青年は憎悪に満ちた表情でこちらを見つめてきて流石の俺も驚いた。
そんなに憎まれること…してたな、身を売っていたのだから。
愛のない性行為、お金をとっていて、俺自身を好いて告白されてフッたのも少なくはなかった。
青年はギリッと歯を食いしばると俺を押し倒す。
服を引きちぎるようにして脱がされる。
慣れている、こういったことも、少し服が勿体ないなと思うくらいで。
この淡々とした対応も気に食わなかったのか青年を怒らせてしまった。
脚を上げられ、秘部にぬるっとローションが入り込む感覚がする。
強引に解されるがそれこそ慣れたものだ。
寧ろ強引な中では優しい方だと思う。
「…んっ」
奥をぐりぐりと押され、声が漏れる。
体をよじらせると手首につけられた拘束具に繋がった鎖がチャリチャリ音をたてるのが聞こえてきて背徳感を煽る。
珍しく自分が興奮していることに気づいた。
俺が興奮していることに感づいているのか青年は「変態が」と罵る。
青年はズボンと下着を手早く脱ぐと勃起したソレを秘部に押し付けてくる。
そして入れると同時に一気に貫いた。
「~~っっ!」
俺の口から声にならない声がでた。
そして容赦のない抜き差しが俺を襲った。
「あぁぁッ!んぁっ、ひ、すご…っ」
まるで俺の気持ちいいところを熟知しているみたいに的確に突いてくる。
パチパチと頭の中が火花が散るような感覚がする。
こんなの初めてだった。
最近のコメント