黒く染まった恋 (Page 2)
苦虫を嚙み潰したような顔で性行為している青年のことは気になった。
気持ちいいはずなのに、興奮しているから勃起しているはずなのに、表情は苦しそうで。
普段だったら気にならないのに、この青年のことは気になった。
「ね…ぇっ、なんでそんなしかめっ面なわけ…っ?」
「っ!」
青年はハッとしたような表情をしたあと、俺を睨みつける。
「お前にあのとき出会わなければ、俺はお前を好きにならなかった!」
苦しげな、寂しげな、理不尽で、それでいてどす黒い感情をぶつけられた俺は。
ひどく興奮した。
こんな感情は初めてだった。
「だからお前を攫って拘束して監禁した」
「ふ、ふはははは、ぶっ飛んでるね…でも好きだよそういうの」
笑ってる俺をみた青年は先ほどの表情とは違い、きょとんとしていた。
俺はにやりと笑って、
「名前、俺、桜井瑞貴。君は?」
と聞く。
「西園寺碧斗」
「へぇ、じゃあ碧斗は俺に恋しちゃったわけだね」
「…」
そう聞くと碧斗は悔しそうに顔をしかめる。
本当に予想外だったのだろう、俺という存在が。
恋をしてしまったことが。
「でも俺もそういう頭のおかしい男、好きみたい」
「おい」
「ははっ、だってそうでしょ?拉致して、こんな逃げられないようにして、狂ってる」
「…」
「でもそんな男を好きになった俺も狂ってるから似た者同士だね」
そういうとやはりきょとんとした表情をするのだ。
怯えて逃げ出すとでも思ったのだろうか。
逃げ出そうと思うには人生を諦めすぎた。
怯えるにはいろんなことをされすぎた。
人形のようだった俺に恋の感情をくれたこの男には感謝しなければならない。
「さ、続きして?」
「…後悔するなよ」
「後悔するなんてありえないよ」
起き上がって碧斗を抱きしめるとズンっと突き上げられる。
「ふぁぁっ、いきなりなんてずるいっ」
「ずるくない」
「はっぁっ、んんっきもちぃっ、そこっそこぉッ!あぁぁぁっ」
いいところを延々と突かれ、派手にイってしまう。
しかし碧斗は止まる様子はなく、突き続ける。
「ひぃぃぃッ!あぁぁんッ!またイっちゃうっイっちゃぁぁぁぁッ!」
体はビッチだからいいところを突かれ続ければすぐにイってしまう。
「くっ…」
碧斗は苦しそうにするとナカに出したらしく、温かいものがナカに広がる。
それが嬉しいと思ってしまうのは恋をしてしまったからだろうか。
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